3児の母、世界の“ワーママ事情”から気づいた「育児と仕事の向き合い方の正解」
働いている女性にとって、仕事と子育ての両立は常に悩みの種。そんなとき、世界で暮らす母親たちに目を向けてみると、意外な発見があるかもしれません。今回、多くの国を旅した経験をもち、3人の子を育てながらイラストレーター・マンガ家として活躍する織田博子さんに、自身や外国人ママたちの経験をとおして実感した「仕事と子育てへの向き合い方」について、話を聞きました。
※ この記事は『世界の子育てくらべてみたら、心がふわっとラクになった』(WAVE出版刊)に掲載された内容を抜粋・再編集しています

世界の「働く女性と子育て」事情
国によって、女性の社会進出の度合いについて差があるのは事実。
中国やロシアでは、女性の就業率は高く、私が出合ったロシアの女性たちもみんな仕事をもっていました。また、ベトナムやマレーシアでも、出産後は祖父母に預けて仕事復帰する人が多かったです。
一方で、ミャンマーやネパール、ウズベキスタンでは、結婚したら女性は家に入るのが当たり前、という考え方が依然としてあるようです。
そして、私がさまざまな国の人にインタビューをしていて感じたことは、英語でコミュニケーションできる女性、というのは活発で行動力があり、エネルギッシュな人が多いということでした。
たとえば、本の制作にあたりインタビューさせてもらった、6人の子育てをするフランス出身・スウェーデン在住のミュリエルさんは、生まれ故郷を離れて外国で働くことを選び、ほかの文化の人と家族をつくり、子育てをしていますが、ミュリエルさんのようなバックボーンをもつ人の多くは、仕事をもっている傾向があるように感じました。
また、最近訪れたインドでは、英語を話せる現地の女性があまりいなかったのもあり、彼女たちの思いを聞くことができませんでしたが、唯一、大都市ムンバイでデザイン系の仕事についていたものの、結婚で地方に来た女性は、「ここでは、結婚とはそういうものだから」と複雑な表情で答えていました。
でもそれはあくまで、私の目のフィルターをとおしての表情。私の母も私自身も子育てしながら働くという人生を選んだので、そのように見えただけかもしれません。
ワーママも専業主婦もそれぞれの「悩み」がある

また、本の制作においては言葉の問題などもあり、海外で子育てをしている専業主婦(夫)の人の意見をくみ取りにくい、という課題もありました。
そこで、日本人で専業主婦をしている友人に「この生き方を選んだ理由」をインタビューしてみることに。
すると、「子育て、衣食住の総合的クリエイティブさに惹(ひ)かれて専業主婦を選んだ」と言っていました。「そっちの方がワクワクした」と。
それで目からうろこが落ちました。みんな違う人間だから、ワクワクするポイントが違うのは当たり前。
もちろん生活のために選ばざるを得ないこともあるけれど、最終的にはその人がいる環境でもっとも選びたかった方法を選んでいます。
仕事をしているお母さんが、「子どもともっと一緒にいるべきではないか」と悩むのと一緒で、専業主婦のお母さんは「子どもに働く姿を見せるべきだろうか」と悩んでいます。
100%完璧な答えがない中で、自分の決めた道に幸せを感じたり、困難を感じたりするのはみんな一緒なんだなあと思いました。
ほかの文化に触れるとき、自分の文化の当たり前が揺らぐ。海外を訪問し続けていたけれど、すぐ隣にも自分と違う文化がある、ということを発見した体験でした。
