「脊髄損傷の研究」走って支援、10日に世界同時開催イベント…大けが乗り越えたJ2栃木・相沢もトークショーに
脊髄損傷の研究支援を目的としたランニングイベント「Wings for Life World Run(ウィングス・フォー・ライフ・ワールドラン)」が5月10日、東京都内などで開かれる。
ゲストで参加するサッカーJ2栃木シティのGK相沢ピーターコアミ(25)は、この大けがを乗り越えたアスリートの一人だ。
新潟・日本文理高から2019年に当時J2の千葉へ入った相沢は、契約満了となった21年12月に参加したトライアウトで悲劇に見舞われた。シュートをはじいた球に反応した際、味方と交錯して救急搬送され、脊髄損傷と診断された。当初は上半身の感覚がなく、「日常生活に戻れるかどうかも分からなかった。絶望だった」と振り返る。
「風があたるだけで痛い」という神経痛を伴うリハビリの日々。幸い4か月ほどで復帰できたが、試練は続いた。「接触プレーへのトラウマもある。夢に出てくるくらいフラッシュバックする」。日本フットボールリーグ(JFL)のクラブも経て、昨季にJリーグデビューした苦労人は今もけがの怖さと向き合う。
ランニングイベントは、国際的飲料メーカー「レッドブル」の支援を受ける財団が企画。参加費は3900円で、全額が脊髄損傷の治療法研究に役立てられる。傘下のJ2大宮関係者を通じて取り組みを知った相沢は、「少しでも(同じ境遇の人の)力になれたらいいと思ってプレーしている」と協力することを決めた。
イベントは世界で同時に開催され、スタートから30分後にランナーを追走する車が出発。追いつかれるまでに走った距離を競う。相沢はトークショーに参加する予定で、「このけがをしたことに何か意味がある。選手として大きくなり、個人でもこういう活動をしたい」と思いを新たにしている。(林田晴樹)
参加者が増えるほど「科学の進歩は加速」
イベントを手がける財団は、レッドブルの創業者とモトクロス世界選手権で優勝経験のあるハインツ・キニガードナー氏(オーストリア)が2004年に設立した。ハインツ氏の息子がモトクロスのレース中の事故で下半身不随となり、脊髄損傷の治療法開発への資金を集めるため、14年からイベントを続けている。
昨年は191か国で30万人以上が参加し、過去最高額の約16億円が寄付された。財団は04年以降、350件近くの研究に出資しており、アニタ・ゲルハーター理事長は「参加者が増えれば増えるほど、科学の進歩は加速する」と語る。
イベントの詳細はホームページへ。
