女性訴え「私の顔が盗まれた」 中国で年間20億本超…活況“AIドラマ”の光と影
ドラマをはじめ、中国ではAIによる映像作品が去年だけで20億本以上公開されました。盛り上がりを見せる一方、ある問題も。AIドラマの光と影とは。
■中国で活況“AIドラマ” 講座も

私たちが訪れたのは、中国・武漢にある映像制作会社。しかし、オフィスには撮影道具の類いが一切なく、頼るのはAIです。
AIドラマ監督
「こちらがAI生成のための指示文。そこから生まれたのがこの4枚の場面背景です」
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できた映像がこちら。背景だけではなく、キャラクターデザインから吹き替えまで、すべてAI任せ。今年公開されると、再生回数はすでに5億回を上回ったともいいます。
驚くのが、その“コスパのよさ”です。
AIドラマ監督
「1本の動画のスタッフは3人。コストは3000元(約7万円)以下」
――従来の映画製作なら
AIドラマ監督
「これの100倍かかると思います」
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さらに…。
武藤将大記者(NNN武漢)
「会社の入り口には、これまでAIで作ってきた様々な動画作品のポスターが飾られています」
創立からわずか1年、すでに100本以上の映像を公開。低コストだけではなく、AIならではのスピードも急成長のカギだといいます。
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上海の大学では、AIドラマ制作講座も。
講師
「扇子で手をたたく場面を生成してみて」
5日間のコースで、料金は8万円ほど。決して安くはないものの、社会人などに人気だといいます。
■“顔が盗まれた”、仕事が激減…盛り上がりの陰に問題も

中国ではいま、AIによって作られた映像作品が続々公開されていて、去年だけでなんと20億本超え。盛り上がるAIドラマの陰に、問題も起きています。
「この恥知らず!」
AIドラマに登場するこの悪役、実は、無断使用の可能性があるといいます。
“AIドラマによる被害” 李さん
「顔が盗まれたと強く思います」
“顔が盗まれた”と主張するのは、普段、モデルの仕事をしている女性。自身の顔写真が無断にAIドラマで使われたと訴えています。
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左が女性がSNSで投稿した写真で、右がAIドラマのワンシーン。比べてみると…。
“AIドラマによる被害” 李さん
「ドラマでイメージを悪くされていて。女性を罵倒したり、動物を虐待するシーンがあって、すごく怒りを覚えました」
女性の抗議を受け、配信サイトは動画を削除。
こうしたトラブルが多発していて、中国の大手配信サイトでは今年に入ってすでに50万件以上のAI動画を削除したということです。
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時代劇をメインに出演するこちらの男性が訴えていたのは…。
俳優
「AIドラマがはやり出して、予算がそっちに流れるようになった」
時代劇は時間もお金もかかるため、AIで作ることが多くなり、俳優の仕事が激減したといいます。
様々な問題を抱えながらも、急成長するAIドラマ市場。この急激な変化に、ルールが追いつくのかが問われています。