ラノ・ララクでは、多様な形態のモアイ像を見ることができる(撮影:富井義夫)

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133の国と地域を旅して、625ヵ所もの世界遺産を訪れている写真家・富井義夫さん。40年以上にわたって世界中を巡ってきた富井さんによる、『婦人公論』での新連載「世界遺産を旅する」。第12回は、「イースター島のモアイ」をご紹介します。

【写真】復興されたモアイ像には、実は日本が関わっているものも…

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空を見つめる謎多き石像


イースター島

最も近い有人島からでも、2000kmの距離があるイースター島。360度見渡す限り水平線が広がる孤島に、およそ1000体のモアイ像が存在しています。

独特の奇妙な造形の理由や、制作目的、10tを超える像の運搬方法などは、いまだ明らかになっていません。有力視されているのは《部族を見守る守護神》としての役割。像が集落の内側を向いて点在していたため、この説が出てきたようです。

これほど謎が多い理由は、現地の文字を読める人がいなくなってしまったから。平和だったイースター島ですが、18世紀に部族間の争いが激化し、モアイ像を破壊し合ったのだとか。さらに、西洋人が島の住民を奴隷として連れ去り、人口が減少。こうした社会の混乱や争いのなかで、人の手によってモアイはすべて倒されてしまったと考えられているのです。

研究や復興のために起こされたもの以外、今も倒れたままの像が多く存在しています。

モアイ像群の復興には日本企業が関わっている

復興されたモアイ像群の一つ、横に15体が並ぶ「アフ・トンガリキ」には、実は日本企業が関わっているのです。きっかけは黒柳徹子さん。クイズ番組『日立 世界・ふしぎ発見!』で現地の知事が、「クレーンがあればモアイを起こせるのに」と発言した際、黒柳さんが、「日本の企業が助けてあげれば……」とおっしゃったそう。

これを耳にした香川県のクレーン会社・タダノが動いたのだといいます。

2度目に訪れ、起き上がったモアイを見たとき、遠い国の世界遺産と日本との繋がりに、誇らしい気持ちになりました。

世界遺産登録名/ラパ・ヌイ国立公園