4回、エストラーダ(左)を攻める那須川(11日)=富永健太郎撮影

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 世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級挑戦者決定戦(11日・両国国技館)――同級2位の那須川天心(帝拳)が9回終了TKOで、世界2階級制覇の実績のある同級1位フアン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)を破った。

 那須川は昨年11月にWBC同級王座決定戦で井上拓真(大橋)に敗れており、復帰戦を勝利で飾った。那須川の戦績は8勝(3KO)1敗。

 自らの状況を「崖っぷち」と表現していた那須川。「勝つってこんなにうれしいんですね」。難敵を圧倒し、涙で顔をゆがませた。

 ジャブと素早いステップを使って、エストラーダを翻弄(ほんろう)。1回には左ボディーで相手をぐらつかせ、7回には右アッパーも交えて攻めた。8回終了時の採点は3者が那須川を支持。9回を終わり、相手陣営が棄権を申し入れ、TKO勝ちとなった。

 昨年11月の初黒星を受け、名トレーナーの葛西裕一氏の指導を仰ぎ、苦手な近距離での対策を練ってきた。「神童」が追い込まれた状況から不退転の決意ではい上がった。

 WBCバンタム級王座は5月に王者の井上拓が井岡一翔(志成)を迎えて防衛戦を行う。「リベンジの切符はつかんだ」と那須川。「天心復活」でバンタム級戦線が面白くなってきた。(荒井秀一)