〈ずっとわすれないよ大すき〉横断歩道を渡っていた小3女児死亡事故 20歳容疑者の“重大な落ち度”
横断歩道を渡っていたのに……
〈ゆいちゃん いっしょにあそんでくれてありがとう! お空で見守っててねずっとわすれないよ大すき〉
現場に置かれたたくさんの花。メッセージは同級生からのものだろうか。被害女児は運動神経が良く、明るい子だったという。突然、人生を断ち切られた彼女を思うと、思わず手を合わせずにはいられなかった──。
4月2日夕方5時半過ぎ、横浜市戸塚区で通行人の女性から「乗用車と歩行者の事故があった。小学生の女の子が呼びかけに応じない」と110番通報があったという。事故に遭った近くに住む小学3年生の中西由衣さん(8)は病院へ搬送されたが、1時間半後に亡くなった。神奈川県警戸塚署は乗用車を運転していた同市栄区のアルバイト・原田京雅容疑者(20)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕。その後過失運転致死に容疑を切り替えている。
「現場は信号のない丁字路交差点でした。由衣ちゃんは友人2人と横断歩道を渡っているときに右側から直進してきた原田容疑者の車にひかれました。
原田容疑者は由衣ちゃんが横断歩道付近にいたことは認識していたと供述しており、容疑を認めています。事故当時、車の助手席には友人の男性が乗っており、『近くに住んでいた男性を迎えに行き、一緒に遊びに行く途中だった』と話していたそうです」(全国紙社会部記者)
現場となった交差点は400mほど近く続く見通しの良い直線道路のちょうど真ん中あたりに位置する。車の交通量はそこそこあり、マンション等がある住宅地と横断歩道を渡った先にある緑道や公園を行き来する子供たちが以前から危険視されていたようだ。近くに住む男性は語る。
「車を運転するうえでは、あの交差点は要注意の場所でした。直線で信号がないので、ついついスピードを出していて、小さなお子さんが歩道に出てきてヒヤリとした経験があります。あの場所では3年ほど前にも事故があったと聞きました」
「横断歩道上の事故に“飛び出し”の概念はない」
現在、報道されているかぎりでは、原田容疑者にスマホを触ったりしていた等の重大な過失はないようだ。しかし、元交通捜査官で交通事故調査解析事務所の代表を務める熊谷宗徳氏は「横断歩道は歩行者の“聖域”なので、確認は徹底すべき」だと語る。
「事故が発生したのはまだ暗くなりきっていない薄暮時。女の子の身長が低くて歩道の柵で見えにくかった可能性はありますが、遠くからでも横断歩道は見えていたはずです。運転者は、横断歩道を渡る人だけでなく、渡ろうとする歩行者も確認する義務があります。そこまで意識して前を見ていれば交差点全体が見えているはず。発見が遅れたのはちゃんと減速をしていなかったか、確認を怠っていたから。それが事故の原因でしょう。
例えば、公園の近くなど横断歩道でない場所で子供が飛び出してきて事故になった場合などは、運転者の過失がある程度弱められる場合もあります。しかし、横断歩道上の事故では“飛び出し”という概念はありません。運転者は横断歩道という“歩道”を車が横切るぐらいの気持ちで、安全確認をしなければいけません」
ただ、今回の事故について熊谷氏は一点だけ気になったことがあったという。
「信号機のない交差点の横断歩道には、手前30mと50mの路上にひし形の『ダイヤマーク』という目立つマークを表示しているはずなのですが、映像を見る限りではこれが見当たらないんです。それでも、これだけ見通しの良い直線道路で前方の横断歩道が見えなかったわけはないので、容疑者が前方をよく確認していなかったことに変わりはありません」
一瞬の不注意が女の子の未来を永劫に奪ってしまった事実は重く受け止めなければならない。
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