亀梨和也×INI木村柾哉に聞く「強いチームのリーダー」の条件

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プロ野球オフシーズンに起こること

亀梨和也さんが万年最下位の野球チームにGMとして赴任する桜崎凖として主演し、INIの木村柾哉さんが桜崎の弟・明人を演じるドラマが「ストーブリーグ」(3月28日スタート)。

「ストーブリーグ」とは、プロ野球のオフシーズンのこと。移籍や引退、監督やフロント人事などが話題になる、あれである。例えば侍ジャパンだった村上宗隆選手がホワイトソックスへ、岡本和真が大谷選手率いるドジャースと世界一を競ったブルージェーズに移籍が決まるまでも大きなニュースになっていた。

選手や監督だけではない。球団の運営にはオーナーがいて、球団代表やGMがいる。オーナーが口を出してくると面倒臭いことも起こりうる。

古い話になるが、2011年11月、読売巨人軍では、オーナー企業である読売新聞社代表取締役である渡邊恒雄氏、通称ナベツネが、巨人軍の清武英利球団代表から告発されて連日メディアを賑わせたこともあった。お金を出すオーナーが応援しつつも球団運営をしっかりするからこそ、監督や選手が力を発揮することができる。しかしそこに内紛が起きたりすると、とんでもないことにもなりうるわけである。

亀梨さんが演じるのは、まさに「とんでもないことになっている」万年最下位の野球チーム「ドリームズ」に就任するGM・桜崎。桜崎はこれまで弱小のスポーツチームを変革してきた“優勝請負人”ではあるが、野球をまったく知らないという設定だ。小学生のころから真剣に野球を知っている人はもちろん、知らない人でも企業ドラマとして楽しむことができるだろう。ちなみに上記の例でいえば、ナベツネ的な役を野村萬斎さんが演じている。

亀梨さんと木村さんの対談前編では、まるで本当の兄弟のようなふたりにそれぞれの印象や本作を引き受けたときの話を聞いた。

後編では、「強いチームに必要なことは何か」を、ドラマの座長をつとめる亀梨さんと、INIというグループのリーダーをつとめる木村さんに聞いていく。

ふたりにとっての「スポーツ」の存在

今回のドラマは野球というスポーツを題材としている。ふたりにとってまず「スポーツ」とはどういう存在なのだろうか。

亀梨人生において必要不可欠ですね。もともと体を動かすのは好きですし、スポーツを通して人生を豊かにさせてもらっています。今はプレイヤーとして真剣にやっているわけではないですけど、この間もちょうどイタリアのミラノ・コルティナ冬季オリンピックで行かせてもらいましたし、僕はもう,生きる上で欠かせないですね」

亀梨さんは小学1年生のときに自ら野球をやりたいと言って、中学生のときに芸能界に入るまでシニアリーグに所属していた。

亀梨:「僕は本当に、野球が好きで好きでやってました。子供の頃は毎日学校終わったらゴールドバットとグラブを持って出ていく。空手もやっていましたけど、野球に夢中になっていました。もともと僕の名前は、今回(B‘zの稲葉浩二さんがカバーして)WBCの応援ソングになった『タッチ』の漫画の(上杉)和也からいただいている、野球くんなんです。

ちょうど僕が生まれたころ多分アニメが始まったのかな。うちは男兄弟が多いので、平和の“和”を入れたいみたいなこともあったみたいで和也と名づけられたんです。(編集部注:亀梨さんは1986年2月生まれ、「タッチ」アニメが始まったのが1985年3月。達也と和也という双子の兄弟の野球の話)野球は自分から進んでやりたいとお願いして始めました。近所の人たちがやってたからかな。やらされたということは一度もないですね」

木村さんも、身体能力についてはダンスを見れば一目瞭然。INIの前はダンサーとしても活躍していた。今はシングルリリースを控えてとても忙しいはずだが、最近もスポーツで汗を流したのだという。

木村:「僕もダンス以外にバスケをやっていたのですが、昔はとにかく『勝つため』にやっていました。だからスポーツをする姿勢は昔と今とで全然違いますね。この前バレーボールをやる機会があったんです。その時期は本当に忙しくって休んだ方がいいだろうと思っていたんですけど、バレーをやったら逆に元気になったりして。バレーのチームに参加したいなって思うくらい楽しかったです。だから、気兼ねなく参加できる地域のバレーチームとかないかなって探してるんですよ、今(笑)本当に気分転換になるので」

すかさず亀梨さんが「ちょっと,妄想しちゃいますね。ママサンバレーのコーチとかやっちゃったらもう」と茶化す。疲れているからだらだらするのではなく、体を動かしてリフレッシュし、パワーが出てくる。チームプレーで汗を流したらきもちがいいかもしれない。

では木村さんは「観る側」としてはどうだろうか。

木村:「やっぱり白熱しますよね。応援したくなるし、スポーツをやっていた身としては、バスケだってすっごいプレー、神技とかも出たりするので、観る側の気持ちをすごい上げてくれるなと感じます」

ドラマ『ストーブリーグ』では、自分一人の成績ではなく、チームが必要な時に点数を取るのが本当のエースだ、という会話もある。これはアーティストにも共通しているのではないだろうか。しかしそう問いかけると、亀梨さんは即答した。

亀梨:「スポーツの方が本当に大変ですよ。我々は、ある程度筋書きをしっかり作って挑む、そこに向けて完成度を上げていきます。もちろん、なまものという難しさもあります。お客さんのリアクションやその日の空気感、会場の設備や開催する場所によっても違うとは思いますが……。たとえば野球選手。ピッチャーは主導なので少し違うかもしれませんが、バッターの方はどれだけ練習しても向こうが主導ですから、年間でも自分の形で完璧に打てることなんて本当に少ないんですね。その中でも成績を残すわけだけで。我々よりもやっぱりすごいと思います。確かに僕たちもマインド的なものはすごく参考にさせてもらうことありますけど」

アスリートへのリスペクトを感じる言葉だ。しかし人が本番で実力を出さなければならない場面は、多く人が遭遇するだろう。ドラマ『ストーブリーグ』は、万年最下位の野球チームがどうやったら強くなれるか、本当に強くなれるのか、という物語も見どころだ。自分自身のいる場所と重ねて観る人もいるのではないだろうか。ではスポーツだけにとどまらず、強いチームとかグループとかになるにはどうしたらいいのだろうか。そう聞くと、亀梨さんは「これはもうリーダー」と木村さんに先に話すように促した。

強いチームにするために必要なこと

実際、木村さんは、INIのリーダーだ。これはメンバー全員の投票で決まったもの。INIは先日刊行した2nd写真集「Viva la vita」がベストセラーになり、『ストーブリーグ』スタートの前日から2025年9月に愛知で行ったコンサートの模様を収めたライブフィルム『2025 INI LIVE [XQUARE - MASTERPIECE] - LIVE FILM』も公開。4月22日には8TH SINGLE「PULSE」がリリースとなる。まさに大活躍のグループのリーダーをつとめるには、何が必要なのか。

木村:「やっぱりお互いのことをちゃんと理解して把握していることが大事なのでは。あと信頼ですね、信じ合うことが大事だと思います。意見なんていくらでもぶつかり合うわけです。そこでぶつかり合う時には、自分の選択肢は間違いってないと思ってぶつかるわけですよね。その時にどれだけ相手のことを信じられるかというのが大事なんじゃないかなと。『今回はそっちの選択肢でいこう』と言えるのも、相手のことを信頼できているかというところにつながってくると思うので、そういうのが大事なのかなと思います。

あと僕が意識しているのは、『成功させよう』と思うこと。でも、とにかく失敗を恐れず進んでいこうみたいな感じですね。グループにおいてもお芝居にしても」

いいチームを構築するために必要なこと

では亀梨さんはどうだろう。亀梨さんはかつてグループだったし、ソロツアー「KAZUYA KAMENASHI LIVE TOUR 2026 『-FROM HERE-』」が7月からスタートする。ツアーのみならず、これまで数えきれないドラマや映画で主役として座長をつとめている。まさにリーダーを長年つとめているといえる。

亀梨:「チームは自分一人ではどうにもならないので、みんながいいパフォーマンスができる環境を意識しています。自分がこういう座長的立場でお仕事させてもらうとき……そう考えると結構リーダー的ポジションって意外と受け身というかベースは、なんか特攻じゃないよね」

木村さんに問いかけるようにいうと、「わかります」と木村さんがうなずく。

亀梨:「もちろん役柄には寄りますが、お芝居の作業も、主人公って動きづらい役回りが多いんですよね。

あと、いいチームを構築するために大切なのはコミュニケーション。運ももちろん大事だけど、コミュニケーションをとるという作業は年々重要だと感じます。

昔の方が、価値観がより近いものが存在していたのかなと思うんです。情報の仕入れ方も、今はそれぞれ違うでしょう。昔だったらもう何チャンネルを見るか、何新聞を読んでいるか、朝のニュースはズームインかめざましテレビかみたいな、そんな時代でしたから。

でも、今は一つの出来事が起きても、捉え方が昔以上に十人十色じゃないですか。LINEニュース、ヤフー、Google、もうみんなが何で情報を得ているかわかりませんよね。昔の方が配信どころかインターネットもスマホもないしね」

木村さんが「そうですよね……YouTubeで情報得たりとかは……」と言うと、亀梨さんは「YouTubeなんてなかったよ。ドラマはもう土曜日の9時にやってるドラマは土曜日の9時に見るか、あとは録画だから。だから結構みんなの価値観が近かったんだよ。月曜日に土曜日のドラマとかバラエティを『あれバラエティ見た?』みたいな会話になっていたけど、今は見てるものも趣味もみんなバラバラじゃん」と返す。

「絶対違いますね。曜日なんて関係ないです。いつでも見られるので」と木村さんは目をぱちくりさせていた。たしかに、多様な情報収集ができるのは素晴らしいことだけれど、だからこそ知っているものだって異なるわけで、よりコミュニケーションが重要というのは納得する。

「前情報はあまり気にしないですね」

ではコミュニケーションを取るために必要なことは何だろうか。

亀梨:「前情報はあまり気にしないですね。『彼こういう人だよ』と言われたとして、言った相手が誰であっても、それこそ関係値によって感じ方はきっと違うし、対応も変わってくると思うんです。だから自分が感じるものをちゃんと大事にする。それが大切かな」

お前はこういう人だと前評判で決めつけられず、成功を目指すけれど、失敗を恐れずにやっていこうというリーダー。それは理想的なのではないだろうか。「失敗を恐れずに挑むことができる」それは信頼し、される、安心できる環境があるからではないだろうか。

木村:「確かにそれもあるかもしれないですね。失敗しても、チームだったら周りの人がカバーしてくれることがたくさんあるでしょう。そういうところに甘える時は甘えて、引っ張って行く時は引っ張って、ということができるのがチームのいいところかなと思います」

「新曲の振り付けしてくれない?」

亀梨さんにしても木村さんにしても、多くのエンターテインメントで我々を魅了してきた。筋道があるとはいうが、自分をおさえてまわりを受け止める役に徹するようなストイックさもある。「本番」に最大のパフォーマンスをしなければというプレッシャーもあることだろう。その裏に積み重ねられた努力が欠かせないはずだ。

ダンスといえば木村さんはINIに入る前ダンサーとして活躍していた。振り付けもしていたことに言及すると、亀梨さんは木村さんに「振り付けしてよ。今回の『ストーブリーグ』の主題歌、振り付けがないんだよ」と本気の顔で言う。

そう、亀梨さんの新曲「Diamond」が『ストーブリーグ』の主題歌だ。木村さんは、「マジですか!そんなこと言われたらお腹痛いです」と笑顔で答えるが、ただの冗談ではなさそうだ。

亀梨:「素晴らしい才能のある若い力にすごくエネルギーをもらいながら,ドラマによりそった素敵な楽曲ができました。レコーディングもすごく楽しかったです。ほんとにストーブリーグ割引でどう?

もしかしたら、ドラマ『ストーブリーグ』の兄弟による、また新たなコラボを見ることができる日は、遠くないかもしれない。

『ストーブリーグ』

万年最下位のプロ野球チーム「ドリームス」を立て直すためにやって来たのは、なんと野球未経験のゼネラルマネジャーだった!2019年から韓国SBSで放送され、最高視聴率20.8%を記録。第56回百想芸術大賞のテレビ部門ドラマ作品賞をはじめとする多数の賞を受賞し、ナムグン・ミン主演のドラマ「ストーブリーグ」を日本のプロ野球界を舞台とした完全リメイクしたヒューマンドラマ。

野球経験はないが、冷静で論理的な頭脳と交渉術でさまざまなスポーツチームを優勝に導いてきた桜崎準が、万年最下位の野球チーム「ドリームズ」のGMに就任。しかし就任したとたん、球団生え抜きの一番人気の四番打者をトレードに出すという。果たして桜崎は何を考えているのか。

■キャスト

亀梨和也、長濱ねる、葉山奨之、梶原善、木村柾哉(INI)、板尾創路、勝地涼、甲本雅裕、剛力彩芽、吉田鋼太郎、野村萬斎 ほか

■監督 瑠東東一郎、松下敏也、塚田芽来

■脚本 吉高寿男、中村允俊

■音楽 宮崎誠

インタビュー・文/FRaUweb新町真弓 撮影/山本倫子

亀梨さん ヘアメイク/豊福浩一 (Good) スタイリスト/佐藤美保子

木村さん ヘアメイク/Sayaka(MASTER LIGHTS) スタイリスト/岡本健太郎

【前編】亀梨和也×INI木村柾哉が語るお互いの印象「亀梨くんがINIの楽屋に来てくれたことがあったんです」