W杯で日本と同組になるのはスウェーデンか、ポーランドか。プレーオフ決勝で激突! 最大の見どころは、やはり両エースだ
舞台はスウェーデンのソルナ。ホームの大声援を受けるスウェーデンにとっては、大きなアドバンテージを持つ一戦になる。準決勝ではポーランドがアルバニアに2−1で逆転勝利、スウェーデンはウクライナを3−1で下しており、ともに勢いを持って決勝へ駒を進めてきた。
ただ、その逆境の中でチームを短期間に立て直してきたのがグレアム・ポッター監督だ。個性豊かなタレントをうまく整理し、短い準備期間でチームに明確な輪郭を与えている。準決勝のウクライナ戦でも、攻守のバランスが非常に整った内容を見せた。
その象徴が、前線の構成だ。チームで最も市場価値の高いFWアレクサンデル・イサク(リバプール)を負傷で欠くが、スウェーデンは攻撃の迫力を失っていない。3トップの中央にはヴィクトル・ヨケレス(アーセナル)が入り、両翼にはアントニー・エランガ(ニューカッスル)、ベンジャミン・ニグレン(セルティック)を配置。この並びが非常に機能している。
ヨケレスは前線で起点を作り、背後へ抜け出し、自ら局面を前進させる推進力を持つ。ウクライナ戦では前線の基準点として仕事をこなしながら、ストライカーの本領を発揮。ハットトリックを達成。先制点ではニグレンのクロスに鋭く反応。追加点ではGKクリストファー・ノルフェルト(AIKソルナ)のロングボールから一気にゴールへ迫り、自ら獲得したPKも沈めた。
右ウイングのエランガは縦へのスピードと前からの鋭い守備を兼ね備え、トランジションの局面で大きな武器となっている。相手の最終ラインを押し下げる役割だけでなく、ボールを失った直後の切り替えでもチームを支える。
左利きのニグレンは、2列目ならどこでもこなせる柔軟性のある選手で、幅広くチャンスに絡む。ウクライナ戦でも先制点をアシストしたように、ヨケレスとの相性は良い。
攻撃陣が好調のスウェーデンだが、ウクライナ戦で負傷交代したセンターバックのイサク・ヒエン(アタランタ)が、この決勝を欠場する見込みとなった。対人守備とエアバトルの能力を持つストッパーの離脱は小さくない痛手だ。
代役にはカール・スタルフェルト(セルタ)の起用が見込まれるが、ロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ)を相手にするという意味では、中央のグスタフ・ラーゲルビエルケ(ブラガ)、キャプテンのヴィクトル・リンデロフ(アストン・ビラ)との連係が生命線になる。
ポーランドは準決勝で苦しい試合をモノにした。アルバニアに先制を許しながら、後半にレバンドフスキがセットプレーから同点弾を奪い、さらにピオトル・ジエリンスキ(インテル・ミラノ)が豪快なミドルシュートで逆転弾を挙げる。絶対的なエースと頼れる司令塔が個の力で、試合をひっくり返した格好だ。
ポーランドの強みは、レバンドフスキにボールを預けて2列目、3列目が連動する形にあり、19歳の新星フィリップ・ロズガ(シュトゥルム・グラーツ)とヤクブ・カミンスキ(ケルン)が積極的に仕掛け、ジエリンスキや機動力の高いセバスティアン・シュマンスキ(レンヌ)の飛び出しは、スウェーデン守備陣にとって大きな脅威となる。
この決勝の最大の見どころは、やはり両エースの存在だ。ポーランドはレバンドフスキを軸に押し込み、スウェーデンはヨケレスを起点に縦へ速く攻める。
ホームのスウェーデンがイェスパー・カールストローム(ウディネーゼ)とヤシン・アヤリ(ブライトン)を軸とした構成力で、ゲームの主導権を握ると想定できるが、ポーランドにはヤン・ベドナレク(ポルト)とGKカミル・グラバラ(ヴォルフスブルク)が中央に構える堅実な守備とレバンドフスキの一発がある。欧州予選でオランダと2試合とも引き分けだった地力をベースに、接戦での勝負強さを発揮できるか。
文●河治良幸
【画像】史上初のモノクロエンブレム&三つ葉ロゴが31年ぶり復活!日本代表の新アウェーユニホーム
