W杯までに知っておきたいサッカー用語の第17弾。今回は「バイタルエリア」を解説。(C)Getty Images

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 聞いたことはある、何となく意味も分かる。でも、詳しくは知らない。そんなサッカー用語を解説。第17弾は「バイタルエリア」だ。

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 相手ゴール前の中央付近、特にペナルティエリアの手前に広がる空間を指す。英語の「Vital(命に関わるほど重要)」が語源で、試合の勝敗を分けるエリアと言える。

 バイタルエリアの最大の特徴は、シュートやラストパス、個人の仕掛けなど、すべてゴールに直結するプレーが成立しやすい点にある。ゴールとの距離が近く、角度も比較的に取りやすいため、ここで前を向いてボールを持てば、直接シュートを打つことも、ディフェンスラインの背後へスルーパスを通すことも可能になる。

 守備側からすれば、このエリアで自由を与えることは、即失点のリスクに直結する。現代サッカーにおいて、中盤を制するものが勝負を制するという見方もあるが、結局はこのバイタルエリアの攻略・防衛なしに勝利は成り立たない。

 攻撃側はパス交換やポジショニングで相手の守備ブロックを揺さぶり、一瞬でもこのエリアに侵入する隙を作ろうとする。一方で守備側は、ボランチ(守備的ミッドフィルダー)やセンターバックが連動して中央を締め、「ここだけは使わせない」という優先順位でスペースを管理することが多くなる。
 
 ただし、基本的には守備側の密度が最も高いため、単純にボールを運ぶだけでは侵入できない。そこで重要になるのが、いわゆる「ライン間で受ける動き」や「ハーフスペースの活用」がバイタルエリアを攻略する前段階のプランとして重視される。

 無論、相手のビルドアップのミスや高い位置のプレスから良い形でボールを奪うことができれば、真っ先にバイタルエリアに侵入してゴールを狙うことも可能だ。

 俯瞰して見るなら、バイタルエリアは盤上の急所のようなものだ。現代サッカーには多様な戦術が存在するが、例外なくバイタルエリアの攻防が決定的な鍵を握る。

 もちろん、そこでの勝敗がゴールに直結する。攻撃側はいかに侵入するか、守備側はいかに侵入させないかはサッカーの重要な見どころだ。

文●河治良幸

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