「AIで宝くじの当選番号、当てられないかな?」学生たちが本当に試した結果は?
2025年8月26日の記事を編集して再掲載しています。
AIの力で億万長者を狙える?
2025年8月、アメリカでは宝くじ「パワーボール」の賞金が6億5000万ドル(約949億円)にまで膨れ上がりました。宝くじって結局は運なのか、それとも科学やAIで当たりを予測できるのか。科学やAIを使えば、この949億円をゲットできるのでしょうか?
イタリア南部・サレント大学の3人の学生は「科学でゲットできる」と言います。
AIで宝くじの当選番号を予測できるのか?
3人の学生はAIを使って過去の抽選データを分析し、次の当選番号を予測しました。しかも2025年4月、その方法で実際に4万3000ユーロ(約742万円)の当選金を手にしているんです。なので、科学は運任せのゲームに勝てるのかも?と注目されています。
では、本当にAIが当たり番号を予測したのでしょうか? 学生たちは、2年分のデータを集め、ランダムな数字を無理に当てようとするのではなく、繰り返し出てくる数字のパターンに注目したと説明しています。
これは「長い間出ていない番号はそろそろ出るはずだ」という、よくある賭け方とはまったく違うやり方です。さらに、地元の賭け屋であるDiego Mancaさんからアドバイスをもらったことも成功につながったそうです。
「3人が店に来たのは1か月ほど前でした。『長い間出ていない数字に賭けるのはアリですか?』と聞かれたんです」とMancaさんは話します。さらに「私はむしろ、よく出る番号に賭けた方がいいんじゃないかと伝えました。彼らはその考えを取り入れて、数学的なシステムを作ったんです」 とのこと。
宝くじは本当にランダム?
もし科学的に当たり番号を事前に予測できるなら、これまでの抽選は完全にランダムという考えが揺らいでしまいます。
「サイコロを振るのと同じで、抽選は独立しているはずです」とフランス国立科学研究センターの数学者Frédéric Giroire氏は言います。つまり、過去に同じ番号が何度出ていても、また出ることを予測できるわけではないのです。
ただし、実際の宝くじの仕組みには、使用される機材などによって大きな違いがある可能性も。たとえば、宝くじのボールが物理的に微妙に違っていたり、配置の仕方が異なっていたりするだけで、結果が変わることもあり得ます。
AIなら、人間には見抜けない細かな違いを検出し、より勝ち筋の高い仮説を選び取れるかもしれません。
AIはパワーボールの番号を当てられるの?
AIは確かにパターン分析や予測が得意ですが、パワーボールの番号を正確に言い当てるのはほぼ不可能だと考えられています。その理由はというと…。
・怪しいソフトの存在:パワーボールを予測できると宣伝するサービスもありますが、全米問題ギャンブル協議会は「根拠がなく、誤った期待を抱かせて依存につながる」と警告しています。
・パターンそのものがない:抽選はパターンを防ぐように設計されています。アメリカ・ゲーミング協会も「各回は完全にランダムで、前の結果は次に影響しない」と説明しています。
・仕組みがランダム前提:パワーボールはランダムな仕組みになるよう設計されています。米マルチステート宝くじ協会(MUSL)によると、各抽選では6つの数字が無作為に選ばれ、すべての結果は等しい確率を持っているとのこと。つまり、「過去の結果は未来の結果に影響を与えない」ということです。これは数学者で統計学者のウィリアム・フェラー氏が著書『確率論入門(An Introduction to Probability Theory)』で述べている通りです。
冷静に考えてみると…
今回の学生の勝利は話題にはなりましたが、専門家たちはこれは一度きりの偶然にすぎないと口をそろえています。
本当に科学的に証明するには、同じ方法で繰り返し成功する必要がありますし、その検証も透明で一貫性があるものでなければなりません。要するに、宝くじはあくまで「完全に運任せのゲーム」と考えるのが一番安全。
少なくとも今のところ、どんなAIやアルゴリズムでもパワーボールの結果を確実に当てることはできないのです。

