JR名古屋駅構内にオープンした天丼専門店『てんどん天舞』の名物、信長と秀吉、家康の名を冠した「三英傑丼」ってなんだ!?
JR名古屋駅構内に天丼専門店がオープン。なんと7種類の天丼を用意している。その中には、あの戦国武将の名前を冠したメニューがあるという。その内容は一体!? 2025年10月20日にできたばかりの新店で天丼を実食した。
「しょうゆだれ」と「みそだれ」、岩塩で味変が楽しめる
数多くの飲食店が軒を連ねるターミナル駅の構内。電車を待っている合間にカフェでひと休みしたり、旅行で食べ損ねた名物を堪能したりと使い方はさまざま。JR名古屋駅構内では、きしめんや味噌かつなどの名古屋名物をはじめ、寿司やそば、焼肉、イタリアンなど多種多様なジャンルの店が建ち並ぶ。

『てんどん天舞』外観。場所は中央改札口からすぐ
そんな中、2025年10月20日(月)に天丼専門店『てんどん天舞』がオープンした。これまで名古屋駅構内には本格的な天ぷらを提供する店がなく、どうしても食べたいときは駅から出なければならなかった。しかも、名古屋駅の周辺にある天ぷら店は敷居の高い高級店ばかり。それだけでも店の存在価値は十分ある。
店の場所は、中央改札口近くのJR名古屋駅中央通り。多くの利用客が行き交うこともあって、営業時間は7時から22時(21時半LO)と長い。

個性溢れる7種類の天丼を用意
店の入口に掲げられたメニュー。天丼は900円から2300円で、どれもご飯が見えないほどのたっぷりの天ぷらがのるようだ。これは期待が持てる!

『てんどん天舞』店内。木目を基調とした落ち着いた雰囲気
店内は全40席。カウンター席のほか、テーブル席には衝立も設置されていて、ひとりでも気軽に来店することができる。また、テーブルとカウンターの間隔も広くとってあり、スーツケースなど荷物が多くても置き場に困ることはなさそうだ。

彩り豊かな「天舞天丼」(1200円)
これが店名を冠した「天舞天丼」(1200円)。エビ3本とナス、カボチャ、しし唐、長芋、えのき茸。ベーシックなメニューにしては豪華過ぎる! なお、ご飯の大盛りはプラス150円で、小盛りは50円引きでOK。
さらに、「半熟玉子天」(1個200円)や「穴子一本揚げ」(600円)、「海老天」(1本150円)などトッピングも用意しているので、自分好みにアレンジしても楽しい。

卓上の味変アイテムで好みの味を見つけるのが楽しい
卓上には七味としょうゆだれ、みそだれ、岩塩が置かれている。実はこれが『てんどん天舞』最大の特徴なのだ。
「天舞天丼」に限らず、ここの天丼は天ぷらが豪快に盛られているため、正直食べにくいったらありゃしない(笑)。そこで丼の「蓋」を取り皿にして食すのである。その際に好みの味付け、例えば、3本のエビ天をそれぞれ岩塩としょうゆ、みそで楽しむこともできるのだ。このお値打ち感が何とも名古屋っぽい(笑)。
信長と秀吉、家康の「三英傑」に思いを馳せた3種の天丼
こちらの名物が「三英傑丼」。「三英傑」という言葉は、愛知県以外であまり耳にすることはないと思うが、戦国時代の乱世から天下統一をめざした織田信長と豊臣秀吉、徳川家康のことを指す。

「三英傑丼」。左から「家康」、「秀吉」、「信長」
信長は岐阜、秀吉は大阪、家康は静岡というイメージを抱く人も多いはず。しかし、天下人となった彼らの生誕地は愛知県であり、多くの県民はそれを誇りに思っていることから、彼らを「三英傑」と呼んでいるのである。

「信長」(2300円)
これが「信長」(2300円)と名付けられた天丼。ひと際目を引くのは、いちばん手前の牛ランプの天ぷらだろう。他にも合鴨ロースや豚肩ロース、コーチンささみ、コーチンつくね、長芋、えのき茸、しし唐と、信長の荒々しい気性をイメージして肉系の天ぷらがメイン。
衣に旨みをギュッと閉じ込めた牛ランプをはじめとする肉系の天ぷらは、岩塩でより旨みを引き出して食すのがオススメだ。

鯛とエビ、サーモン、金目鯛など6種類の海鮮を盛り付けた「家康」(2100円)。魚介好きにはたまらない一杯だ
こちらは「家康」(2100円)。家康の大好物だった鯛をはじめ、エビやサーモン、金目鯛、イカ、穴子、長芋、えのき茸、しし唐と海鮮が中心。それぞれの旨みを引き出した絶妙な火加減で仕上げていて、ご飯が進むこと間違いなし。岩塩やしょうゆ、味噌で味変しながら楽しんでほしい。

肉と野菜、海鮮のいいとこ取りの「秀吉」(2200円)。名古屋人のみならず、お得感を抱くはずだ
最後は、「秀吉」(2200円)。内容は、エビと鯛、サーモン、豚肩ロース、コーチンささみ、長芋、えのき茸、しし唐。肉も野菜も海鮮もバランスよく入っているのは、半農の下級武士の家に生まれたにもかかわらず、天下人へと出世したのは、秀吉の人たらしな性格を表現している。

歴史においては徳川家が豊臣家を滅ぼしたが、天丼の「信長」(右)と「家康」(左)、「秀吉」(中)の勝者は?
肉系の「信長」か? 海鮮系の「家康」か? それともいいとこ取りの「秀吉」か?
迷うところだが、名古屋では三英傑の中でも立身出世を絵に描いた秀吉が人気なので、「三英傑丼」でも何となくお値打ち感を感じる「秀吉」に人気が集まるような気がする。まぁ、直感的に食べたいと思ったものを注文すればいいのだが。
地元産の豆味噌を使った「みそだれ」のクオリティに驚愕!
おっと、天ぷらのこだわりについて書くのを忘れていた。天ぷらの衣は米粉と薄力粉をブレンド。サクサクとした食感が楽しめるだけではなく、油が吸収しにくいため、テイクアウトでも揚げたてのおいしさが続く。
天ぷらを揚げるのに使用するのはヘルシーな米油。ボリューム満点の天ぷらを食べても、食後にまったくお腹がもたれないことに驚いた。それだけ軽やかな仕上がりになるのだ。

8本の海老天がのる「海老づくし天丼」(1500円)
写真は、筆者が注文した「海老づくし天丼」(1500円)。名古屋の市章であるマル八にちなんで8本ものエビ天がどーんとのるエビ好きの名古屋人も感涙の一杯である。
カツオダシを効かせたしょうゆだれは、砂糖を使用せず甘みはみりんで調整している。甘すぎず、辛すぎず、バランスが秀逸。どの天ぷらにも合う万能だれだ。

8本のエビ天を岩塩としょうゆだれ、みそだれで味変しながらいただいた。どれもおいしかったが、筆者としてはみそだれを推したい
一方、みそだれは、しょうゆだれをベースに地元産の豆味噌をブレンド。みそかつに使われるタレのような甘ったるい味付けではなく、みそならではのコクが堪能できる。
「みそ=名古屋」と短絡的に捉えて「新名古屋めし」などと安っぽい言葉で括ることはしないでもらいたい。それだけココのみそだれのクオリティは高く、店の本気度を感じた。

右上から時計回りに、「ミニ天丼」、「天茶漬け」、「天むす」、「玉子かけたぬきご飯」。こんな朝食もアリだと思う
もうひとつ、注目したいのは、朝7時から10時まで提供している「玉子かけたぬきご飯」(500円)と「ミニ天丼」(800円)、「天むす」(650円)、「天茶漬け」(750円)の朝食メニュー。名古屋駅構内では、朝食に喫茶店のモーニングやきしめんなどが楽しめるが、『てんどん天舞』の天ぷら朝食も選択肢のひとつになると思う。
記事を書いていたら、また天丼が食べたくなった。「半熟卵天」をトッピングした「天舞天丼」にみそだれをたっぷりとかけてかっ喰らいたい。
■『てんどん天舞』
[住所]愛知県名古屋市中村区名駅 1-1-4 JR名古屋駅名古屋中央通り
[電話番号]052-433-3975
[営業時間]7時〜22時(21時半)
[席数]全40席
取材・撮影/永谷正樹
1969年愛知県生まれ。株式会社つむぐ代表。カメラマン兼ライターとして東海地方の食の情報を雑誌やwebメディアなどで発信。「チャーラー祭り」など食による地域活性化プロジェクトも手掛けている。
