阿里山林業鉄路の「祝山観日列車」(阿里山林業鉄路・文化資産管理処提供)

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(嘉義中央社)農業部(農業省)林業・自然保育署(林業署)は9日、2009年の台風などで被災し、一部区間で不通となっていた、阿里山林業鉄路について、7月1日に全線復旧する見通しを発表した。復旧は15年ぶり。景勝地・阿里山の軸として、地域の国際観光の発展に期待が寄せられている。

同鉄道は南部・嘉義を中心に走る。日本統治時代に建設され、当時は阿里山の材木を運搬。現在は観光鉄道として運行されている。

林業署によると、同鉄道は、09年の台風8号によって421カ所で被災した。当初は15年末の全線復旧を見込んでいたが、同年に再び台風21号に襲われ、本線にある十字路―屏遮那駅間の42号トンネル内の2カ所で大規模な崩落が発生し、線路が寸断された。現在も本線の十字路―沼平駅間で不通となっている。

復旧に向けて政府は23億台湾元(約110億円)を支出。新たに42号トンネルを掘削した他、ヒノキ製客車「福森号」を製造した。

同署の関係者は、同鉄道を軸として、嘉義県と市街地をつなげ、部会(省庁)横断で地域計画を主導し、世界レベルの都市発展にまい進すると強調した。

(楊淑閔/編集:中村充孝)