「こんな道路は“初見殺し”」交差点での右左折、“暗黙の了解”で右折優先になるケースがあるってホント?
交差点通過時の“優先ルール”、正しく理解していますか?
近年、ニュース等で「ドライバー同士の交通トラブル」が報じられることも多くなってきました。
左折をしようとしたドライバーが、強引に右折してきた対向車にぶつかりそうになり、クラクションを鳴らしてトラブルに発展するケースなども見受けられます。
そもそも、交差点内におけるクルマの優先順位は決められており、①直進車、②左折車、③右折車となっています。
車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。
道路交通法第37条
上記の条文には”妨害してはならない”と書いてあります。つまり、この違反は、自分が右折したことによって直進車や左折車が”急激に減速しなければならない”等の状況になった場合に成立するものです。
これに違反した場合は「交差点優先車妨害違反」に該当し、反則金6,000円(普通車)、点数1点が加算されます。
左折した先の道路が二車線以上のとき、左右どっちに入るのがセオリー?
交差点における左折車のルールについても確認しておきましょう。
道路交通法第34条では、左折時は「”できる限り”道路の左側端に沿って徐行しなければならない」と書かれています。つまり、片側二車線以上の道路へ左折するときは、なるべく第一通行帯(一番左の車線)へ進入するということです。
ただし、「できる限り」という文言からもわかりますが、右車線へ入ったことで取り締まりを受けることはまずないでしょう。
とはいえ、対向車線に右折待ちのクルマがいる場合、『左折車は左のレーンに入るはずだ』と思い、こちらが左折すると同時に右折してくるケースがあるため、”キープレフト”で左折したほうが安全です。
筆者地元の交通課の警察官によれば、「左折車は、できる限り道路の左側端に沿って曲がり、第一通行帯へ入るよう定められています。
左折した先の交差点で右折等する場合、第二、第三通行帯へ入ることも多いかと思いますが、本来は第一通行帯へ入った後に車線変更して右車線へ入るのが正解です。」とのこと。
左折した先の道路が二車線以上の場合は、第一通行帯へ入るのが正しい左折方法のようです。
対向車が同時に右折してくるのは問題なし…?
左折時は第一通行帯へ入るのが正しいということは、二車線以上の道路では右の車線が空くことになります。
実際に街中を走行していると、対向車が同時に右折し、右車線に入ってくるシーンを目にすることも少なくありません。
この『対向車線の右折車が同時に曲がってくる』という行為は、違反ではないのでしょうか?前出の警察官に聞いてみたところ、次のような回答が得られました。
「右折車は直進車や左折車の進行を”妨害してはならない”という決まりになっているため、妨害しなければ左折車とほぼ同時に右折しても違反ではありません。
ただし、左折車と同時に右折するのは、正しい方法とはいえないでしょう。その左折車にのみ意識がいってしまい、直進車や歩行者との事故につながるケースもあります。
左折車との同時右折は、左折車や直進車の通行を妨害する可能性が高いため、避けていただきたいところです。」
意外にも、左折車と同時に右折する行為自体は違反ではないようです。ただし、左折車が第一通行帯に入るとも限らないため、同時に右折するのは「マナーとしてNG」といえるかもしれません。
対向車の通行を妨害した場合は”アウト”となるため、交差点では直進車や左折車を優先するのがベストとのことでした。
■右左折車の事故が発生したら過失割合はどうなる?
ちなみに、交差点で左折車と右折車の事故が発生した場合、状況によっては左折車の過失割合が加算されることがあるため、注意が必要です。
冒頭でお話したように、基本的に交差点では右折車よりも左折車の優先順位が高いため、基本となる過失割合は「30%(左折車):70%(右折車)」であり、右折車の過失割合が高めになっています。
しかし、「二車線以上の道路における事故」の場合、左折車の過失割合が高めに修正されることがあります。それは、左折車が第二、第三通行帯へ進入して事故が起きた場合です。
先述のように、左折時は本来第一通行帯へ入る必要があります。そのため、左折車が第二、第三通行帯へ進入して右折車と事故を起こした場合、左折車に対して過失割合が10~20%程度加算されるのです。
この場合、基本の過失割合「30%(左折車):70%(右折車)」から、「40~50%(左折車):50~60%(右折車)」となってしまう可能性があることを頭に入れておきましょう。
”暗黙の了解”で右折車優先となることもあるが…
曲がった先の道路が二車線以上ある場合、右折車は左折車と同時に曲がり、そのまま第二通行帯へ入ったとしても、法律上は問題ないということが分かりました。
とはいえ、交差点では左折車や直進車の進行を妨げてはならないという決まりがあるため、同時右折は避けたほうが無難です。
ちなみに、三車線以上ある道路では、”暗黙の了解”によって第三通行帯が右折車優先となっているケースも例外的に存在します。
これは、その場所ならではのルールで、『第三通行帯は右折車のために空けておいたほうが交通の流れがスムーズである』といった理由から、右車線を右折車優先としているもの。
ただし、これは道路交通法で定められたものではありません。当然ながら、直進車がいれば通行の妨げになってしまうこともありますので、このあたりは臨機応変に対応する必要があります。
前述のとおり、道路交通法においては、左折車や直進車に急ブレーキをかけさせる等の状況でない限り、左折車と同時に右折し、第二通行帯に入ったとしても違反にはなりません。
しかし、通常の右折方法よりも事故やトラブルにつながる可能性が高くなるのも事実。「交通マナー」や「交通の安全」という観点から見れば、やはり左折車優先とし、安全確認を行ってから右折するのがベターでしょう。
