美術品よみがえらせる修復家 台湾師範大に専門機関 人材育成も

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(台北中央社)絵画や彫刻などを一つ一つよみがえらせてきた国立台湾師範大文物保存維持研究発展センター。同大で博士号を取得し、同センターに所属する潘怡伶さんは、修復において最も重要なのは歴史と真実の再現だとし、憶測や過剰な美化によって作品を修復するべきではないと語る。

台北市の同大敷地内にある同センターは、日本統治時代に活躍した画家陳澄波や彫刻家黄土水の作品の修復などを手掛けてきた。20日、メディア向けに公開された施設内は温度、湿度管理が博物館並みに徹底されていた。

絵筆で細かく作業をする者、専門の機器で絵画をスキャンする者。修復家を志す学生も白衣と手袋を身に着けている。

同センターの張元鳳主任によれば、修復作業に入る前、さまざま角度から作品に光を当てて測定や撮影を行ったり、デジタルマイクロスコープで細部を確認したりしてから具体的な方法を決める。作業場の温度、湿度管理に加え、照明器具は全て、作品の劣化を招く紫外線を含まないものを採用している。

潘さんは同大で美術品の保存を博士課程の第1期生として学んだ。専門は東洋絵画の修復だ。絵画以外にも写真や布地、彫刻の修復に携わることもある。

同センターでは近年、台湾の芸術家の作品を多く扱っているという。「自国の文化に関心を寄せる人が増えてきた」と話す潘さんは、陳澄波の絵画やスケッチ、写真の修復を多く担当している。

歴史と真実の再現に重きを置いた修復を目指す潘さん。戦後の「2・28事件」で銃殺刑に処された陳澄波の衣服の銃痕も残した。「細部まで朽ち果てるのを防がなければならない」と力を込める。

同センターは文化部(文化省)のプロジェクトを利用し、美術品の保存や修復に関する単位を取得できるコースを開設。他校の学生も受け入れる。

修復の技術以外に、学生たちは専門の機器による分析を通じ、創作に用いる材料の劣化についても学べると張主任。「適切に材料を選ぶことで作品の寿命を延ばすことができる。アカデミックな教育を受けた芸術家として備えるべき力」と話した。

(王宝児/編集:楊千慧)