FeliCaとトリプルカメラと防水防塵で2万円台の「Redmi Note 10 JE」発売! 圧倒的なコスパにシャオミの本気を見た

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●シャオミがエントリー向けスマートフォン「Redmi Note 10 JE」を発売
中国Xiaomi(シャオミ)のエントリー向け5G対応スマートフォン「Redmi Note 10 JE(型番:XIG02)」が、8月13日にauより発売されました。
au以外では、UQモバイルからも9月上旬の発売が予定されています。

auの直営店価格は2万8765円。
「かえトクプログラム」を適用すると残価が5,880円に設定され、実質負担額は2万2885円となります。

このほか、
・5G機種変更おトク割で機種変更すると5,500円割引
・auオンラインショップお得割で新規契約すると1万1000円割引
・他社からMNP(乗り換え)すると2万2000円割引
このようなキャンペーンプログラムも行われています。

5G対応のスマートフォンとしては衝撃的な低価格であり、常に圧倒的な低価格とコストパフォーマンスの高さを武器としてきたシャオミらしい戦略的スマートフォンと言えます。

Redmi Note 10 JEの特徴や製品としての立ち位置について、シャオミの戦略とともにご紹介します。


シャオミが「この1台」と自信を持ってオススメする理由とは



●機種名の「JE」に託された想いと戦略
スマートフォンに詳しい方ならご存知かもしれませんが、本機はグローバル版として海外で発売された「Redmi Note 10 5G」の日本向けモデルです。
グローバル版の名称では、5G対応であることが明確に分かるように「5G」と付けられていますが、日本版では省略されて「JE」となりました。

しかしながら、当然5G通信機能が削除されたわけではありません。
「JE」とは「Japan Edition」の略であり、Redmi Note 10 5Gをさらに日本向けとしてカスタマイズした製品という意味です。


日本人と日本の通信環境のためにカスタマイズされたスマートフォン


シャオミは2019年12月に日本でのスマートフォン販売を開始しました。
以降、約半年ごとに新機種を発売し続けていますが、その度に日本のユーザーの購買ニーズを詳しく調査し、
・日本人が何を求めているのか
・日本の通信環境に合ったスマートフォンとは何か
これらを常に追求してきました。

日本上陸から約1年後、第3弾となったスマートフォン「Redmi Note 9T」ではFeliCaへの対応を果たし、「安くてもおサイフ機能がないのでは……」と躊躇していた日本人のニーズを取り込みました。

そして今回のRedmi Note 10 JEでは5GやFeliCaへの対応とともにIP68防水防塵機能にも対応し、需要の高いトリプルカメラ(背面メインカメラ群)も搭載して、
「欲しい機能が詰め込まれた低価格モデル」として登場したのです。


初めは手探りだった機種展開も、ユーザーニーズの徹底調査によって着実に進化してきた


シャオミが敢えてグローバルモデルの焼き直し程度のものではなく、「JE」と付けるほどの改良と日本人向けの機能の追加を行ってきた背景には、日本人の独特な価値観とニーズがあります。

ただ安いだけの端末では売れない。
見た目がリッチなだけの端末も売れない。
安くても妥協できない機能と性能がある。

そういった「わがままな日本人」に合わせた結果が、FeliCaとカメラと防水防塵機能だったのです。


日本人は安価な端末でも防水防塵対応を当たり前のように思っているかもしれないが、海外では削られることが多い機能だ



●ユーザーニーズに最適化させた基本性能
Redmi Note 10 JEの主なスペックは以下の通りです。

・SoC:Snapdragon 480 5G Mobile Platform
・ディスプレイ:6.5インチ、FHD+(1080×2400ドット)TFT液晶
・メモリー:4GB(LPDDR4X)
・内蔵ストレージ:64GB(UFS 2.2)
・外部ストレージ:最大1TB(microSDXC)
・リアカメラ:
広角カメラ・約4800万画素CMOS(F1.79)
マイクロカメラ・約200万画素CMOS(F2.4)
デプスカメラ・約200万画素CMOS(F2.4)
・インカメラ:約800万画素(F2.0)
・バッテリー容量:4800mAh
・Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac準拠
・生体認証:顔認証、指紋認証
・充電および外部接続端子:USB Type-C
・その他機能:3.5mmイヤホンジャック、赤外線リモコン機能、ハイレゾオーディオ
・本体質量:約200g

SoC(チップセット)で分かるように、本機はウェブサイトの閲覧や写真添付を含めたSNS利用を中心に想定されたスマートフォンです。
最新の3Dゲームなどを遊ぶには厳しい性能であるため、飽くまでもライトユースに向けた性能に抑えてコストダウンが図られています。

一方、ディスプレイ性能は上記のようにウェブサイトやSNS閲覧に特化しており、最大90Hzでの駆動により画面スクロール時にもテキストなどがハッキリと読みやすい工夫が成されています。

このディスプレイの駆動速度は可変式(アダプティブシンク方式)となっており、
・画面をスクロールさせるウェブサイト閲覧などでは90Hz
・動画視聴時には動画のフレームレートに合わせた60Hz
・画面変化のない静止画閲覧時には50Hz
このように動的に変化します。
これにより、快適な利用を維持しながら消費電力を抑える工夫が成されています。


利用用途に応じて最適なリフレッシュレートを自動適用


カメラ機能の充実も本機が力を入れている部分です。
上記のようにリアカメラはトリプルカメラ仕様となっており、標準の広角カメラと最短撮影距離4cmまで可能なマクロカメラ、さらに写真のボケ表現などを可能にするデプス(深度)カメラを搭載するなど、実売2万円台の低価格モデルとは思えない内容です。

さらにカメラのソフトウェア部分でも、
・AIカメラ
・AIスーパーナイトモード
・タイムドバースト
・各種写真フィルター
・ムービーフレーム
・プロモード
・パノラマ
・HDR

このようなさまざまな機能と撮影モードに対応しており、SNS利用に必要な要素を詰め込んだ内容となっています。


撮りたい写真が手軽に撮れる。それだけでも価値のあるトリプルカメラだ



AIカメラが平凡な写真を美しく補正してくれる



●誰もが納得できるエントリー機種
Redmi Note 10 JEは、3Dゲームを快適に遊べるような高性能なチップセットや、ニーズの少なかった超広角カメラなどをオミットしつつも、ニーズの高いディスプレイ性能やAIカメラ性能などを充実させることで、低価格でありつつも日常用途で満足できるラインに仕上げたバランス感覚の良い機種だと感じます。

シャオミは現在のところ、日本では機能を絞った低価格モデルを中心に展開しています。
今後はさらにユーザーニーズを調査し、いずれはハイエンド機種も投入したいとしていますが、Redmi Note 10 JE発表の際に、

「これまでエントリーレベルの商品はUX(ユーザーエクスペリエンス)が達成できていないことが多かった。それを是正したかった」

このように語っており、まずは低価格帯での品質や性能でユーザーに十分納得して頂けるものを提供したいという同社の姿勢を明確にしています。

さらに、

「ミッドレンジクラスでハイエンドクラスの性能の商品の投入を考えている」
「今後に期待して下さい」

このようにも語っており、エントリーモデルでの思想と戦略をそのまま上位機種へスライドさせ、スマートフォン業界における価格と性能のバランスを大きく変えたいとする同社の野心すら垣間見せていました。


シャオミが掲げる理想とは「これで十分」ではなく「これだけ詰め込んだ」である


シャオミはRedmi Note 10 JEの開発に当たり、auのスタッフとも早期から毎週のように話し合ってきたことも明かしています。

日本の市場について何年間も徹底的に調べ上げ、何が必要で何が不要なのか、日本人が求めているものは何なのかを真摯に考え続けた答えがRedmi Note 10 JEです。
だからこそ「スマホ選びに悩んだらこの1台。」なのであり、誰もが納得できる価格とコストパフォーマンスに仕上がっていると感じられるのです。


執筆 秋吉 健