睡眠のプロが教える!寝苦しい夜でも「快眠できる方法」5つ

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コロナ禍により、なんだか夜の寝つきが悪くなっていた中、この連日の暑さで寝苦しい夜が続き、睡眠の質が低下しているかもしれません。

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実際、三菱電機 霧ヶ峰PR事務局が実施したアンケート調査結果によると、コロナ禍における在宅時間の増加に伴い、「普段の生活」や「働き方」に変化があったと回答した人のうち、「眠りが浅くなった」が31.1%、「寝つきが悪くなった」が25.5%となり、約4分の1の人に睡眠の質に低下がみられました。

日中、眠気がきてしまうと、家事や育児、テレワークなどの作業効率にも影響が出てしまいます。

そこで今回は、快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂さんに、熱帯夜でも快眠できる睡眠環境の整え方や、子どももできる快眠のための行動を教えていただきました。

熱帯夜でも快眠できる環境は6つの要素で整える!

三橋さんによると、睡眠の質を上げるには、「寝床内の温熱環境を左右する」重要な6つの要素をトータルで整えることがポイントだといいます。

温度…夏は28度以下湿度…40〜60%気流…風速0.5m/s以下体質…暑がりか寒がりか着衣量…着衣の厚み・形状はどうか寝具量…寝具の厚み・通気性はどうか

三橋美穂さん(以下、三橋)「真夏に眠れない原因は、身体の深部の温度が下がらないことに一番の原因があります。高温多湿な環境では、汗が蒸発しにくく、熟睡に必要な熱放散ができないからです。

質のよい睡眠を取るには『寝室の温度が28℃以下、湿度が40〜60%』がベストです。

また、快眠には、温度と湿度以外にも寝具量(寝具の厚み・通気性はどうか)・着衣量(着衣の厚み・形状はどうか)・体質(暑がりか寒がりか)・気流(風があるか)といった要素を考慮して睡眠環境を整える必要があります」

寝室環境や家族の体質、パジャマ、寝具などを一度トータルでチェックしてみましょう。

熱帯夜でも快眠!テクニック5つ

三橋さんは、具体的な快眠テクニックを5つ紹介してくれています。こちらもチェックしておきましょう。

1.エアコンを朝までつけておく

28℃を超えると夜間熱中症のリスクが高まるので、寝苦しい夜は28℃以下でエアコンを一晩中つけておく。タイマーを使って切るのはNG。暑くて目が覚めてしまい、睡眠の質が低下します。

2.パジャマは長袖・長ズボンに

寝冷えを回避するために、長袖・長ズボンのパジャマを着用し、その服装でちょうどよい温度に設定するようにします。

3.エアコンの温度は2段階で設定

就寝前と就寝に入るタイミングで設定温度を変えるとよいです。

まず、就寝1時間前に低めの温度で設定。壁や天井には昼間に当たった太陽の熱がこもっているので、しっかりと冷やしておきます。このまま寝ると途中で寒くなるので、寝るときにエアコンの設定温度を上げます。

設定温度を上げた後は、室温はゆっくりと上昇していくので、寝入って体温が下がった頃には室温が上がり、身体が冷え過ぎず眠りやすい環境になります。

4.冷感寝具とエアコンの併用

暑がりで、もっと涼しくしたいと思う人は、冷感寝具はエアコンとの併用がおすすめ。併用することで、冷感寝具の温度が下がってヒンヤリ感が増し、快眠できる環境に近づくことができます。

5.きれいな空気を保つ

部屋の空気が汚れていると呼吸が浅くなり、睡眠の質が低下して疲れが残ってしまうことがあります。

エアコンをつける前に窓を開けて換気をするなど、きれいな空気を部屋に取り入れてから睡眠に入ることで呼吸も深くなり、疲れが残りにくくなります。

子どもと一緒にできる快眠行動2選

子どもは暑くて寝苦しいと感じてしまうと、なかなか寝入ってくれないこともありますよね。そこで眠りにつきやすくするための小さい子どもでもできる快眠行動を三橋さんに教えていただきました。

1.頭を冷やす

三橋「用意するものは保冷剤とハンカチ。お惣菜を買ったときなどについてくる小さい保冷材の場合は、3つくらい冷蔵庫で冷やしておきます。寝るときにその保冷剤をハンカチで包んで、頭につけて、ひんやりして気持ちいい温度に調整しましょう。

後頭部が当たるように枕の中央に置くと、脳の温度が下がりやすくなり、寝つきがよくなります」

2.数字をカウントダウンする

三橋「100から数字を一つずつ減らしながら、『100、99、98、97…』と頭の中でゆっくり数えていきます。3秒に1つくらいのゆっくりとしたテンポがおすすめです。いくつまで数えていたかわからなくなったら、100に戻って数え直す。

数字を数えることに集中していると、余計な考えごとが浮かんでこないので、いつの間にか眠ってしまいます」

まだまだ続く熱帯夜と、在宅生活。毎晩、家族みんなの快眠が得られるように、環境を整えたり、テクニックを使ったりして工夫しましょう!

【取材協力】三橋 美穂(みはし・みほ)さん

快眠セラピスト・睡眠環境プランナー
寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。講演・研修や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。
主な著書に『眠トレ!ぐっすり眠ってすっきり目覚める66の新習慣』(三笠書房)ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)はシリーズ累計115万部を突破。