手術後初めて言葉を交わす父娘(画像は『Fox News 2019年12月11日付「Moment daughter reunites with dad after providing life-saving liver donation」(T&T Creative)』のスクリーンショット)

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63歳の肝臓がんの父親のために、自分の肝臓の一部を提供することを決意した30代の娘。術後の2人が初めて対面する様子を捉えた動画が、多くの人の心を揺さぶり拡散している。『Fox News』などが伝えた。

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リチャード・バージさん(Richard Burdge、63)が肝臓がんと診断されたのは昨年5月24日、62歳の時だった。すぐに化学療法が開始されたが、医師からは「肝臓移植をしないと生存できる可能性は非常に少ない」と告知され、昨年12月からドナーを探してきた。

アメリカでは肝臓移植が必要な患者は毎年16000人以上いるにもかかわらず、亡くなったドナーからの移植は平均で6000件ほどと言われており、リチャードさんの家族は生体肝移植ができないかどうかそれぞれが検査を受けてきた。しかし最適なドナーが見つからないまま、リチャードさんの症状は悪化していった。

そんな中、家族で最後に検査を受けたのは、リチャードさんの娘ティファニー・ナップさん(Tiffany Knapp)だった。ティファニーさんは第3子を出産したばかりで、産後6か月になるまでは検査を受けられずにいたのだが、ドナーとして最適であることが分かると迷うことなく移植を決めた。

ティファニーさんは、その時の気持ちをこう語っている。

「私には4歳以下の子供が3人いるからと、両親に反対されました。でも医師から肝臓が適合すると聞いた時に、私の心は決まっていたのです。父の腫瘍が大きくなり始めたことを聞いて、もう時間がないことが分かっていたからです。」

ティファニーさんの意志は固く、2人の移植手術は9月11日にニューヨーク・コロンビア/プレスビテリアン病院(NY Columbia Presbyterian Hospital)で行われた。この手術によりリチャードさんの肝臓は全摘され、ティファニーさんの健康な肝臓の65%が父親に移植された。

そして手術から数日後、2人は感動の対面を果たし、この時の様子を収めた動画がティファニーさんの姉妹によってSNSに投稿された。

動画では、術後数日が経過しティファニーさんがリチャードさんの病室に向かうところから始まる。ティファニーさんはまだ酸素チューブを付け、足取りもゆっくりだが、歩行器を使って一歩一歩父親の部屋へと歩いていく。途中、呼吸を整え、病室の前でリチャードさんの姿を目にすると思わず「ダッド」と口ずさみ、目に涙を溜めてさらに歩を進めていく。

リチャードさんもティファニーさんの姿を見て、様々な思いが込み上げてきたのだろう。息を大きく吸いながら涙を流し、少しずつティファニーさんのそばに身体を寄せると、娘と手を繋いだ。

ティファニーさんがベッド脇に座ると、2人は改めて手を繋ぎなおし、お互いに「愛してるよ」とつぶやく。リチャードさんはその後、泣きながら「私の命を救ってくれて本当にありがとう」と娘に言葉をかけた。

動画は2人がハグを交わし退院するところで終わっているが、ティファニーさんは「手術後初めて父を見た時は、とても感情的になってしまいました。部屋にいたみんなが嬉し涙を流していたのです」と明かし、こう述べた。

「肝臓のドナーになることは決して難しくはありません。臓器移植がどんなに大切なことか、私たちができることは何かということを多くの人に考えてもらえればと思います。」

なお肝臓移植のドナーは出血、血管の狭窄や血栓、感染症など術後の合併症に注意する必要があるが、肝臓は切除後3〜4カ月あれば元の大きさに戻るそうだ。リチャードさんも定期的な経過観察が必要だが、2人とも順調に回復しているという。

画像は『Fox News 2019年12月11日付「Moment daughter reunites with dad after providing life-saving liver donation」(T&T Creative)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)