大人向けサイトに顔認識導入?・ブラックホール発見の新手法・JUULに低品質ポッド出荷の疑い: #egjp 週末版189
1週間のニュースで拾いきれなかった話題をダイジェスト形式でお届けします。今週は「大人向けサイトに顔認識導入?」「ブラックホール発見の新手法」「JUULに低品質ポッド出荷の疑い」などといった話題をピックアップしてご紹介します。

豪政府、オンライン賭博やポルノの年齢確認に顔認証を検討



オーストラリアのSydney Morning Herald紙が、豪州政府がオンラインでのギャンブルサイトやポルノサイトを利用する際に、年齢確認のためにユーザーの顔認証による身元確認を検討していると報じました。オーストラリア内務省は「身分証明書に使用される顔写真と照合して身元確認する『顔認証サービス』を開発」しており、たとえば「未成年が親の運転免許証で年齢確認を回避するのを防ぐ」としています。

ただ、英国政府はこの10月、同様にオンラインポルノサイトを未成年の人々から隔離しようと試みたものの、それが無理だという結論に至っています。たとえば、TwitterやRedditはそれがSNSだったり掲示板だったりすることからこの試みから除外されましたが、実はこれらのサービスのなかにもアダルトコンテンツは比較的簡単に見つけられたりするものです。また、いくら英国内からアダルトコンテンツへのアクセスを制限しようとしても、VPNを利用すれば英国外のIPアドレスを経由してそれらにアクセスできてしまいます。

さらにギャンブルやポルノサイトへのアクセスを制限するということは、本質的にはそれらサービスを利用するユーザーのデータベースを作ることになり、プライバシーとセキュリティに関する懸念も考えられます。ニューサウスウェールズ大学の法律協会は、ユーザーがブロックを回避する無数のドメインやアプリケーションがあり、完全にアクセスを遮断する効果的な方法は存在しないと指摘しました。

ただ、イタリアやデンマークなどはオンラインギャンブルに関する年齢確認システムを作ることに成功しており、豪州政府はそれをポルノサイトにも応用できると考えています。

JUUL元幹部が、100万個もの品質劣化ポッドを販売したと告発



電子タバコメーカーJUULの幹部だったSiddharth Breja氏が、JUULが品質の劣化した交換用ポッド100万個をそのまま出荷し、そのことを伏せたままリコールもしなかったと訴え出ました。

Breja氏は、JUULが2019年3月の幹部会議でほぼ1年前の古いポッド100万個がそのまま出荷、販売されたことを知りました。そして、それら製品を回収するか、安全性の問題を公にすべきと進言しました。しかし当時CEOだったKevin Burns氏が回収には数十億ドルの費用がかかることを理由にこれを拒否し、その約1週間後にBreja氏を解雇したと告発状で訴えています。Breja氏はまた、2月の段階で古いポッドを販売しようとする動きに対してパッケージに有効期限や使用期限もしくは製造日の記載をするよう促したとも主張しています。

一方、Burns氏は代理人を通じ「企業のCEOとして製品の品質に関して多額の投資を行った。したがって言われるようなことはすべて真実ではない」と反論しました。またJUULも「Breja氏の主張は事実無根であり、彼は自身の役割に必要とされるリーダーシップを発揮しなかったため解雇された」として、「すべての製品は適用されるべき仕様を満たしていると判断した」としています。

JUULは若者への電子タバコ販売を促進したとして批判を受けており、米食品医薬品局(FDA)など規制当局からも目を付けられる状況となっています。またアメリカ疾病管理予防センター(CDC)は電子タバコ使用者に数百件の肺疾患が発生していることも明らかにしており、電子タバコ産業全体が批判の元に晒されています。

映画『ソーシャルネットワーク』の脚本家がFacebookの政治広告を批判



マーク・ザッカーバーグは現在、政治関係者が誤った主張を広告で広めようとすることを実質的に許容しているFacebookの広告ポリシーを「言論の自由」だとして改めようとしないことで批判の渦中にいます。

そして10月30日には、かたくなな姿勢を崩さないザッカーバーグに対して、Facebookの生い立ちを題材とした映画『ソーシャルネットワーク』で脚本を担当したアーロン・ソーキン氏が、ザッカーバーグに対する公開書簡をNew York Timesに掲載しました。ソーキン氏は公開書簡の中で「映画は真実ではなく、ハリウッドは彼らが何のためそれを構築しようとしたかを理解していない(我々はわかっているし、いつもそうしている)」とし、「2010年にソーシャルネットワークを書かなければ良かった」とまで述べています。

さらに「この映画が嘘だとわかっていたので、あなた(ザッカーバーグ)が映画は嘘だと非難した際もそれを否定しなかった」「私たちはある人物がスタジオの弁護士とともに隅々まで脚本を調べたことを知っています...マーク・ザッカーバーグが訴えられないために」とつづけ「そしていま、あなたのウェブサイトにはジョー・バイデンが息子の疑惑にかかわった検察官を解任させるためにウクライナの検事総長に10億ドルを渡したとする広告を載せていますます。その、Facebookのロゴの下にある広告はすべて嘘をついています。マーク、それは言論の自由を擁護しているのではありません。それはただ真実をねじ曲げているだけです」としています。

これまでFacebook同様に広告の掲載に関して批判されていたTwitterのジャック・ドーシーCEOは11月22日をもって政治広告の掲載を停止すると発表しました。しかしザッカーバーグ氏は「政治家が検閲差sれるのは正しいことではないと思う」と述べています。

米人気アニメ『サウスパーク』がHuluからHBO Maxに鞍替え



1997年から続く米国の人気アニメ『サウスパーク』は、ケーブルテレビ局のComedy Centralで放映されるほか、これまでの全23シーズンはHuluで視聴できるようになっています。しかしその権利が、2020年6月からはワーナー・メディアがサポートするHBO Maxに移ることが発表されました。

この契約は23シーズンにおよぶ300以上のエピソードに加えてComedy Centralでの放映後24時間以内のストリーミングも含まれ、その価値は5億〜5.5億ドル(約540〜595億円)とされます。

HBO MaxにはこれまでのHBOコンテンツの数々や、BBC制作の多数のショー、ホアキン・フェニックスを擁する『ジョーカー』を含むDCコミックス系映画などがラインナップされます。

ブラックホールを発見するための新しい方法



ブラックホールは光すらも逃れられないほどの重力を持つため、外側からはそれを目視することはできません。しかしはくちょう座X-1のように、ほかの恒星と連星を形成しているようなブラックホールの場合は隣の星から物質を引きずり込む様子が観測されるため、その存在を発見するのが容易です。

とはいえ、やはり宇宙の闇の中紛れて存在するブラックホールの多くは、ほぼ単独で存在しテイルと考えられています。先週サイエンス誌に掲載され、Space.comが紹介したのは、このような見つけにくいブラックホールを発見するための新たな方法です。

科学者は、その謎に満ちた天体を見つけるために星のドップラー偏移と呼ばれる現象を調べる方法を用いました。これは太陽系外惑星を発見するのにも使われているもので、ドップラー効果によって引き起こされる光の波長のズレを利用します。

たとえば大きなドップラー偏移は、強大な重力源がそこにあることを示す可能性を高めます。そして、周囲の恒星の明るさが一定感覚で変化し、それがドップラー偏移と符合するような場合、ブラックホールの存在の可能性は高まります。

科学者らは、地球からおよそ1万光年離れた恒星2MASS J05215658+4359220をその最有力候補のひとつとして注目し、その星の周りを回る物体が太陽のおよそ3倍ほどの質量を持つ小さなブラックホールである可能性が高いと判断しました。

ただ、この方法が正確で信頼できるものかを示すには、同じやり方が頼多くのブラックホールを見つけ出す必要があります。もしかすると、今後ザクザクとブラックホールが見つかることになるかもしれません。