3戦全勝でA組首位に立つ日本【写真:荒川祐史】

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混戦模様のA組を英紙は「死の組」と表現

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で日本が首位に立つA組は決勝トーナメント出場の2枠を巡り、混戦模様と化している。日本は3戦全勝で勝ち点14を積み上げ、本命とみられていたアイルランドは同11で2位、1試合消化の少ないスコットランドは3位という現状。予想外の展開に対し、英メディアは「死の組」と表現。「誰が予想しただろうか」と驚きとともに報じている。

「ラグビーW杯プールの序列。最終週に誰が何を必要とするのか」と特集したのは、英地元紙「ガーディアン」だった。日本が首位に立つA組について驚きの混戦状態と分析。寸評では「ここまでの展開を誰が予想しただろうか。死の組だ。興味深いグループになるであろう糸口はあった。第3シードの強さで知られるグループがあるとするなら、日本は最高ランクで開幕を迎えた」と記した。

 当初、優勝候補で世界ランク1位で開幕を迎えたアイルランドとスコットランドがA組の本命、日本は3番手と目されていた。だが、静岡の奇跡で状況は一変した。「それでも、世界1位のチームを倒すということは全くもって起こりそうもなかった」とアイルランドを日本が撃破した第2戦を振り返った。

 その上で「2015年に南アフリカを倒す実績を持つ日本は、ラグビーの現状が変化しているかもしれないことを示す最も明確な兆候だ」と報じ、日本の躍進がラグビー界の勢力図を塗り替えていると分析。そして、決勝T進出の条件を解説。日本が最終戦でスコットランドを倒せば、8強のさらに先も見えてくるという。

首位通過なら、4強進出のシナリオも…

 寸評では「世界ランク9位のチームを破ることは簡単だろう。もし、日本が日曜のスコットランド戦で勝てば、彼らはグループ首位ということになる。トウキョウでの準々決勝では、南アフリカ相手に興味深い可能性を得る。2015年のブライトンを思い出せばいい」と指摘。前回大会で優勝候補の一角の南アフリカを倒したブライトンの奇跡を振り返り、4強進出のシナリオを描いている。

 一方、ロシア戦で5ポイントを獲得したと仮定した場合のスコットランドの勝ち抜け条件は日本撃破。その上で日本にボーナスポイントを許さないことが条件になる。アイルランドもサモア撃破が絶対条件。2位通過の場合、オールブラックスとの準々決勝を迎える可能性が高いが、スコットランド―日本戦の結果次第でグループ首位に立つチャンスも残されている。

 日本の躍進で「死の組」と化したA組。最後に笑うのはどの国か――。海外からも、その結末に熱い視線が注がれている。(THE ANSWER編集部)