ベッカム(左)、レンジャー(右)……。タトゥーのデザインは選手によって様々だ。 (C) Getty Images、(C) REUTERS/AFLO

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 リバプールの14年ぶりのチャンピオンズ・リーグ制覇とともに2018-19シーズンは幕を閉じ、欧州のクラブシーンは束の間のオフを迎えている。

 閉幕から約1か月の時が経ち、各クラブの来る新シーズンに向けたチーム強化が少しずつ始まり、移籍市場が少しずつ熱を帯び始めるなか、英紙『The Sun』は、サッカー界を彩るスターたちの特集を組んだ。ピックアップしたのは、選手たちの身体に刻まれた「タトゥー」だ。

 「世界最悪のタトゥーを入れた世界最高のフットボーラーたち」と銘打たれたこの特集は、引退したレジェンドを含め、おもにプレミアリーグにゆかりのある選手たちのそれに焦点を当てている。

 最初にピックアップされたのは、イングランド代表GKのジョー・ハートだ。

 2011-12シーズンにマンチェスター・シティの44年ぶりのトップリーグ制覇に大きく貢献し、イングランド代表でも長らく正守護神を務めた名手は、今月頭に自らの右肩に甲冑のような真っ黒のペインティングを施して話題を呼んだ。

 同紙は、そんなハートの斬新なデザインについて、「彼の右肩にはインクが大量に詰まっている。目が痛くなるほどに黒光りしたタトゥーは最低レベルだ」と酷評。だが、このタトゥーをインスタグラムで公開した当人は、「みんなに好かれないことは分かっている。でも、僕は気に入っている」と満足げだった。

 さらに『The Sun』は、イングランド・サッカー界の大物レジェンドにも切り込んでいる。かつてマンチェスター・ユナイテッドと同国の代表でカリスマ的人気を博したデイビッド・ベッカムだ。

 現役引退から6年が経ち、今や世界中から愛されるファッションアイコンにもなったベッカムの身体には、ありとあらゆるタトゥーが彫られている。そのなかで同紙が取り上げたのは、彼の首から左側頭部に刻まれた植物だ。次のように寸評を綴っている。

「世界的なファッションアイコン、そして偉大なミッドフィールダーとして彼は常に称賛を浴びてきた。だが、そんなベックス(ベッカムの愛称)も過去にコーンローヘアーや日焼けサロン、そして全身をレザー素材で固めた服装で出てくるなど、いくつかの失敗も犯している。この頭に彫られた動植物の複雑すぎるタトゥーは、過去の過ちに匹敵するレベルで、『やめるべきだ』と我々は言いたい。彼は他にも40種類を超えるタトゥーを彫っているが、これは最も奇妙なうちのひとつだ」
 さらに厳しい“評価”が下されたのが、アルトゥール・ボルツ(現ボーンマス)、ウロシュ・ヴィタス(イルティシュ・パヴロダル=カザフスタン)、ナイル・レンジャー(無所属)の3人だ。

 ボルツは腹部に猿のアニメキャラクターがこちらを向いているタトゥーを入れているのだが、ちょうど、お尻の部分がおへそに当たっているのだ。これを同紙は、「ただ、酷い……。このタトゥーを正しく評する言葉が見つからない」と綴った。

 セルビア人のヴィタスは、愛妻のアンドリアーナさんの顔を横腹に刻んだ。だが、輪郭がなく、目と鼻と口がリアルに描かれたデザインは不気味そのもので、「妻への愛を形にするというアイデア自体は悪くなかったが、それは実際にやるべきではなかった。最も恐ろしく、少し恥ずかしさすらある」と記した同紙の寸評もうなずける。

 そして、「世界最悪のタトゥーを入れた男」と紹介されているレンジャーが入れたのは、なんと下唇の裏側。28歳の彼は、そこにスマイルマークの絵文字をワンポイントで刻んだのだ。

 そんな元ニューカッスル戦士の驚きのデザインについて、「彼の身体には、もはやタトゥーを入れる場所がなく、不必要な苦痛を味わうことになった。唇の裏に小さなスマイルマークを入れたが、そんなタトゥーを入れる意味はあったのだろうか……」と、疑問符をつけた。

 タイトル通り、この記事では、どの選手へも辛辣な見方が目立った。ただ、そんなタトゥーでこんな特集が組まれるのも、世界各国から選手が集うイングランド・サッカー界ならではと言えるかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部