子どもが敬語を使おうとして「お」や「ご」をつけ、妙な二重敬語になってしまう場合があります。今回の無料メルマガ『神垣あゆみメールマガジン 〜仕事Beginのメール作法〜』では著者の神垣さんが、「実は謙譲語は使用場面によって変化するので大人でも使いこなすのは難しい」とし、メールでありがちな誤った例をあげ、シチュエーションに合わせた使い分け基準を詳しく解説しています。

丁寧も行き過ぎると不自然

敬語に敬語を重ねた二重敬語。案外、気づかず使っているものです。たとえば、「お○○○になる」に尊敬の「れる」「られる」を付けてしまうパターン。

おっしゃられる  ⇒ おっしゃる召しあがられる  ⇒ 召しあがるおいでになられる ⇒ おいでになる いらっしゃるご覧になられる  ⇒ ご覧になる 見られるお帰りになられる ⇒ お帰りになる 帰られる

丁寧に書こうとして、却って丁寧すぎて不自然に映ってしまうので要注意。敬語が重複すると、単純に聞きづらい、読みづらいものです。

「お」は和語に、「ご」は漢語に

二重敬語としては、やたらと「お」や「ご」「御」をつけるのもNG。「おごちそうさま」は「ご」で十分丁寧なのに、さらに「お」まで付けてしまっている二重敬語の例。

「お」は和語(訓で読まれる語)に、「ご」は漢語(音で読まれる語)に付けるのが原則。外来語にも「お」「ご」はつけません。例えば…

○ ご馳走  お手洗い 

× おビール おトイレ

「ご返事」と「お返事」

最近、使い方に疑問を持ったのが「ご返事」と「お返事」です。メールの返信に私はずっと「お返事」を使っていました。けれど、年長者からのメールに「ご返事ありがとうございます」とあり、それが何人か続いたので疑問に思い、調べてみたところ…。

謙譲語の「お」と「ご」の使い分けの基準として、訓読みの和語の前につくのが「お」、音読みの漢語の前につくのが「ご」。このルールにのっとると、「返事をする」の謙譲語は「ご返事いたします」となることを知りました。

私は「お返事」のほうが語呂がいいような気がしていたのですが、ビジネスメールでは「ご返事」とするほうが多いようです。幼児に「お返事は?」と聞くのと同様、「お返事」にはニュアンスとして普段使いの言葉の色合いが強いのかもしれませんね。

違いを知って使い分け

必ずしも、漢語には「ご」、和語には「お」というルールどおりではない言葉もあります。漢語でも「お」をつける例としては、「お礼状」「お加減」「お時間」。和語でも「ご」をつける例では、「ご入り用」「ごゆっくり」などです。

時代とともに言葉の使い方も変化していきます。「ご返事」という改まった言い方も、次第に「お返事」というカジュアルな言い方に変わっていくのかもしれません。ですが、違いを知り、その場に応じて使い分けることは必要と感じています。

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