そうだったのか! クレヨンや色鉛筆から「肌色」が消えたワケ
学生時代、美術の授業で人物画を描く際、「肌色」のクレヨンや色鉛筆を使用した記憶がある人は多いはずですが、現在、この肌色という呼称が使われなくなっていることをご存じでしょうか。
カラー&イメージコンサルタントの花岡ふみよさんによると、呼称としての肌色が消えた背景に「グローバル化」があるようです。
「肌色」で連想する色にバラツキ
花岡さんによると、そもそも日本語の「肌色」は黄色人種である日本人の「平均的な肌の色」を指す色です。
しかし1999年、クレヨンメーカーのぺんてるが肌色について、薄いオレンジ色を意味する「ペールオレンジ」に呼称変更、2000年にサクラクレパスが「薄橙(うすだいだい)」とするなど大手メーカーが次々に追随し、2006年頃にはほぼすべての文具メーカーの画材から肌色が消えたといいます。
「その背景には、『肌のための色』という言語上の固定観念に対する危惧がありました。絵は見たままの色で描くのが基本。メーカー側が『肌の色はこういうもの』という概念を与えるのは不適切と判断したのです」(花岡さん)
また、教育現場からも「肌色を使った指導は難しい」との声が上がったといいます。
「現代はさまざまな国籍や人種の子どもが日本の学校に通う時代であり、肌色から連想する色にはバラツキがあります。かつてはそれほど意識しなくてよかった肌色という呼称は、そうした子どもたちに違和感を生じさせるため使われなくなりました」
多文化国家である米国のクレヨン
ちなみに米国では、さまざまな人種の人を描けるようにと、8つの「肌の色」を表現したクレヨンが入った「マルチカルチュラル」という商品があるとのこと。「肌の色や文化の違いを認めながら、色の視点から『平等』を教える同商品は多文化国家の米国ならではと言えるでしょう」。
かつて、肌色に慣れ親しんだ世代が存在する一方、今後は、肌色という色があったことすら知らない世代が増えていくことになりそうです。
(オトナンサー編集部)

