by Rick Tsao

AppleのiPhoneやiPadは、新機種が登場する度に端末の厚みがどんどん薄くなっているのが特徴的ですが、Appleは次期iPhone/iPadに有機ELディスプレイの搭載も視野に入れて、新型ディスプレイ技術開発のために極秘の研究所を台湾北部に設立しています。

Apple Opens Secret Laboratory in Taiwan to Develop New Screens - Bloomberg Business

http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-12-15/apple-said-to-open-secret-lab-in-taiwan-to-develop-displays

Appleの新しい研究所は、台北から50km離れた龍潭(りゅうたん)区という地域にあります。周囲には地元のバイオテクノロジー関連工場が数多く建ち並んでいますが、建物の外壁にはAppleのロゴマークなどは掲げられていません。Bloombergが研究所に詳しい人物に取材したところによれば、研究所では50人以上のエンジニアが勤務していて、さらに新型ディスプレイ製造のための従業員も働いているそうです。新しいディスプレイは、次期iPhoneやiPadなどのモバイル端末に使われるのではないか、とBloombergは推測しています。



施設はもともと半導体メーカーのQualcommが使用していたもので、Appleは研究所の職員に元Qualcomm社員を採用したり、台湾の液晶パネル製造企業AU Optronicsから技術者を引き抜いたりしているとのこと。Appleはディスプレイ開発のためにさらに多くの技術者を募集しており、台湾の研究所の求人情報がLinkedInに掲載されています。しかし、クパチーノのApple本社で広報官を務めるKristin Huguet氏は、台湾の研究所に関してコメントを控えており、研究所の詳しい情報は公開されていません。

研究所内では現行のiPhoneに使われている液晶ディスプレイよりも薄くて軽い新型を開発中で、さらにバッテリー効率を上げたり、ディスプレイの輝度を明るくしたりといった改善を目的とした研究が行われているのではないかと見られています。また、Apple製品のディスプレイをバックライト不要でより薄型の「有機ELディスプレイ」へ移行することも視野に入れているのではないか、と推測されています。



Appleは液晶画面の開発拠点を台湾に移すことで、SamsungやLG、シャープ、ジャパンディスプレイなどの他企業への依存度を下げて端末の開発を行えるという利点もあります。既にAppleはディスプレイの製造をAU OptronicsやInnoluxなど、台湾の中小企業に依頼しはじめており、2015年末のディスプレイ製造シェアはInnoluxが2.6%に上昇。一方でジャパンディスプレイは3.9%とシェアが過去最低の値に下がっており、シャープはシェア1.6%にまで低下しています。

なお、ジャパンディスプレイはスマートフォン向けの有機ELディスプレイ製造を2018年春に開始すると報じられていたり、LGは新型iPhone用に1兆円超の有機ELディスプレイ設備投資を決定したりしていて、新しいiPhoneのディスプレイ製造を巡る動きが今後も気になるところです。