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「女性ホルモンが枯れたら女性でなくなる!! 」なんてことがまことしやかに語られる今日この頃。そんな女性ホルモン信者の女性たちは、豆乳や納豆を食べてイソフラボンを摂取することで、女性ホルモンの補充をする……なんてこともあるようだ。果たして本当に、豆乳や納豆を食べると女性ホルモンは増えるのだろうか。

○食品摂取で得られる効果は誤差の範囲

産婦人科医で性科学者の宋美玄医師によると、「豆乳や納豆に含まれる大豆イソフラボンを摂取したからといっても、女性ホルモンは増えないし、活性化もされません」とバッサリ。

「大豆イソフラボンは、大豆の胚芽に含まれている植物性化合物でポリフェノールの一種です。確かに大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)に似た構造をした植物性のエストロゲンで、セロリなどに多く含まれている成分です」と宋医師。しかし、構造が似ているからといって摂取すればよいかというと、それはまた話が別のようだ。

「イソフラボンは、腸の中にエクオール産生菌がいるかどうかでホルモンの活性化が左右されます」。エクオール産生菌によってイソフラボンがエクオールに変化し、女性ホルモン活性が強くなるのだが、日本人すべてがエクオール産生菌を保有しているわけではなく、かつ、「エクオールによる女性ホルモンの活性はエストロゲンの1/1000程度。エストロゲンが大量に分泌されている20代、30代の女性にとっては誤差の範囲にすぎず、よほど大量にイソフラボン含有食品を摂取しなければ、女性ホルモンの活性化は望めません。少なくとも20代、30代の女性が摂取して意味のあるものとは言いがたいです。ただし、更年期障害の女性は女性ホルモンの分泌量が急激に減少しているので、こういった食品の摂取がプラスになる可能性も考えられます」。

※画像は本文と関係ありません。

○宋美玄(そん みひょん)医師

産婦人科女医・性科学者1976年兵庫県神戸市生まれ。2001年大阪大学医学部医学科を卒業。同年医師免許取得、大阪大学産婦人科入局。2007年川崎医科大学講師就任、2009年イギリス・ロンドン大学病院の胎児超音波部門に留学。2010年には日本国内の病院にて産婦人科医として従事する傍ら、「女医が教える本当に気持ちいいセックス」を上梓。50万部突破の大ヒットとなる。 2012年には第一子となる女児を出産。現在、フジテレビ「とくダネ!」木曜日レギュラーコメンテーターとしても出演中。

(神野恵美)