国籍を取得し、ロンドン五輪の男子マラソンでカンボジア代表に選ばれたお笑いタレント・猫ひろし(34)に対し、バルセロナ五輪マラソン銀、アトランタ五輪マラソン銅メダリストで、現在はマラソンを通してスポーツ振興や文化活動に貢献する有森裕子氏(45)が苦言を呈している。

 有森氏は猫の代表決定に関し、読売新聞のインタビューにおいて、「厳しい練習環境の中で、選手たちは力をつけてきている。カンボジア若手選手の心中を思うと悔しい」と涙ぐみながら訴えたという。というのも、有森氏はチャリティーマラソンを企画するなど、かねてからカンボジアと交流を深めており、五輪代表候補にあがっていたヘム・ブンティン選手(26)を日本の大会に招待したこともある。

 猫へ批判を向けているのは有森氏だけではない。「国籍を変えてまで出場するのには抵抗を感じる」「国の誇りを背負って走ることができるのか?」などの意見が噴出。このような状況に対し、猫は代表決定記者会見(3月26日)において「厳しい意見があることはわかっています。決めたからには最後までやり遂げたい」と語っている。

 日本ではいろいろ話題になっている猫の五輪代表決定だが、現地のカンボジアではというと、ほとんど話にあがらないらしい。また一部新聞によると、在日カンボジア大使館職員が「猫氏を通じて、日本がカンボジアに関心を持つきっかけになってくれれば」とコメント。これでは競技で結果を出すより、国の知名度をあげるための代表決定だと解釈されても仕方ない。

 いずれにせよ、カンボジア側の決定が「自国選手不在」であることは間違いない。

 ロンドン五輪の男子マラソンは8月12日に行われ、閉会式に表彰を行う予定。それぞれの批判や思惑を背中に、猫はどのような走りを見せてくれるのだろうか。(編集担当:吉岡さとみ)