5R、場内の歓声が一際大きくなり、まずはKJの左にニックがシングルレッグを見せる。背中を向け、走りぬくように足を引き抜いたKJだが、ニックのパンチを被弾するケースが4Rから増えている。

ニックのジャブをダッキングでかわしたにKJ。ニックがダーティーボクシングからショートを連打する。左から右を伸ばすニックに、KJも左ボディを打ち返し、思い切りの良い左を伸ばす。組みついてテイクダウンを狙うニックは、明確なポイントをスコアしたいところだが、ここはKJも許さない。飛び込んで左を放ったKJは、ダッキングから左を伸ばす。
ニックの右をかわし、逆に右を打ち込んだKJは首相撲の展開を嫌がり、後方に下がって距離を取る。再び距離を詰めたKJを、ニックがアッパーで迎え撃つ。ダーティーボクシングから首相撲につなげ、ヒザを見せたのはニック。動きが落ち、スピードに欠けるようになったKJが、残り10秒でも前に出てくるが、これをいなしてタイムアップを迎えた。

右目の周囲を真っ赤に染まらせたニックだが、初回から5Rまで手数がそれほど落ちなかった。一方、顔の傷は少ないKJだが、徐々にペースダウンした印象は否めない。勝利をアピールする両者だが、裁定結果は48-47、49-46、49-46の3-0でニック・ディアズに――。1、4、5Rは明確にニックのラウンドであり、KJが確実に取ったのは2Rのみだったことから、妥当な判定といえるだろう。

試合後のインタビューでは、KJも素直にニックの勝利を認めていたが、ウェルター級のニック・ディアズにあれだけのファイトができるのだから、本格的にライト級王座戦線に割って入って欲しいところだ。

一方、因縁にケリを付けたニック。この日、タイロン・ウッドリーがアンドレ・ガルバォンを倒し、ポール・デイリーのストライクフォースデビューが控えているものの、頭一つ抜き出た存在であることは間違いない。