女を磨く“植物学”入門 Vol.2 季節の草花で秋色のおもてなし
女性のたしなみとして、お呼ばれする際の手土産は当然!そのため最新のスイーツやお茶は女性に人気の研究対象ですが、その範囲が広すぎてなかなか得意になれないのが逆の立場、「おもてなし」かも知れません。古くから、自然を見立てた空間で心を込めて客人をもてなす茶道という伝統芸術を持つ私たちですが、住空間や食文化などのライフスタイルが変化した今では、その高尚な精神に学ぶことはなかなか難しいものです。

女を磨く“植物学”入門 Vol.1

そこで今回は、“おもてなし上手”への第一歩、季節の草花を取り入れた空間作りのお話です。

相手を想う気持ちが空間を作る!

私は誰かをお招きする時、日々のファッションと同じ感覚で空間を演出しています。空間は自分の好みや感性、意識など内面的な部分がにじみ出るもの。演出と言うと過剰に聞こえますが、せっかくお会いするのだから“心地よい空間でお迎えしたい”、その気持ちを表すのがおもてなしだと思うのです。季節に合っているか?その方の好みの雰囲気は?嫌う色合いは?・・・などと相手の立場に立って考えます。そして心得たいのは気合いを入れ過ぎて“不自然さを作らないこと”。とても華麗なメイクをしていても、そこばかりが目立ってしまいその人自身の美しさは印象に残らない、なんてことがあるように、花を飾る際にも美しく飾り立てることに集中するのではなく、無理せず自然に、自分の中にあるおもてなしの気持ちを大切にしたいものです。

“秋色+主役花”のバリエーションで華やかに

とは言え、美しく花を飾るためにはテクニックも必要です。そこで気軽に試していただけるポイントをいくつかご紹介します。大きな花瓶に季節のお花をたっぷりと・・・と贅沢をしたいものですが、そんな予算がない時には、『季節の枝もの(or葉もの)+主役花』で作る小さなアレンジを、スペースに応じていくつか用意するテーブル花をオススメします。秋ならば紅葉した「つつじ」や「もみじ」、「ワレモコウ」、又は色合いが秋を感じさせる葉ものなどは統一してどの器にも用い、主役のお花はお客様の好みの花や色合いをチョイスすると喜ばれるかも知れません。

“器にひと手間”で洗練された仕上がりに!



口が広い器でも手軽に美しくいけるポイントは、器に仕掛ける間仕切りです。写真右のように花を挿す口が1つだったところをいくつかにテープを使って分割します。そして…。

1)“ベース”になる草木(今回は深い色合いの葉の「紅スモモ」)から挿していきます。
2)続いて“主役”になる「カーネーション」、手前の紫の「トルコキキョウ」、
3)“仕上げ”に茶色の「ワレモコウ」をバランスよく散らします。
他の器も同様の手順で、主役にする花を変えていけていきます。ベースと仕上げの花を統一することで、並べた時に不思議と調和が生まれます。

お客様が帰られた後には、ベットサイドや玄関、サイドボードなどそれぞれのお花に合った適所に分散させて飾ることで部屋中に秋色が広がり、豊かな時間の余韻に包まれます!おもてなしの心は美しい日常への入り口。ぜひ少しだけゆとりを作って、季節のお花でお迎えしてみてください。

※写真左端のアレンジから順に「ベースに紅スモモ、主役に黄色いバンダ(蘭)、仕上げにワレモコウ」、「左に同じく、主役にはカーネーションとトルコキキョウ」、「ベースに藤袴、主役にグリーンの菊」、「ベースに紅スモモ&谷渡り、主役に紫のバンダ(蘭)&トルコキキョウ、仕上げにワレモコウ&パニカム」、「主役にオレンジの石化ケイトウ」

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フラワーデザイナー 松永 有加(まつながゆか)

花と暮らしの教室「Botanicalism」主宰。
1982年生まれ。13歳から華道に学び、高校在学中から生花店で修行、19歳でフロリスト養成学校にてフラワーデザインを習得。02年桑沢デザイン研究所(スペースデザイン専攻)在学中より店舗ディスプレイやイベントでの空間コーディネートを中心に活動。同校を卒業後(株)古舘プロジェクトに入社。マスコミ業界でのプロデューサー業を経て、09年9月に関連会(株)ブレイン・コミュニケーションズ所属にて「Botanicalism」の活動を開始。