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 ◇ボクシングIBF世界フライ級タイトルマッチ 矢吹正道(判定3―0)レネ・カリスト(2026年6月6日 愛知県国際展示場)

 勝ち名乗りを受けても、王者は表情を強ばらせたままだった。矢吹正道(33=緑)にとってのV2戦。3―0の大差判定も、心を満たしてはくれない。リング上で、反省ばかりが口をついた。

 「出だしが良くて力んでしまった。(試合を通して)うまくいかないことの方が多かった」

 1回に2度のダウンを奪う望外のスタート。だれもが早期決着を予感する中で、王者は想定外に少し戸惑っていた。「1ラウンドを慎重にいこうと思って。結果が良かったんで、そのままズルズルと(パンチが)当たれば…という考えが出ちゃって。こっちが一発狙いになって、相手にディフェンシブに戦われて、こっちが空回りした感じ」。10回の猛攻でKO寸前まで追い込むも倒しきれない。試合を支配したのは矢吹でも、不完全燃焼の思いが残った。

 「内容も結果も最悪でした。点数?10点ですね。今日の内容じゃ、大きいことは言えない」

 試合後、この日IBF世界スーパーフライ級王座を奪取したアンドリュー・モロニー(オーストラリア)に求められ、控室で記念撮影に応じた。統一戦とともに、3階級制覇を狙う矢吹にとっては、新たな標的といってもいい存在。「(新しい)ベルトが欲しいというより、チャンピオンと戦いたい」。失意の中で、次に向かう闘志が芽生えていた。