2010年の写真。アリゾナ州に浮かぶ継続的地上監視システムの気球を捉えている/Tech. Sgt. Vanessa Valentine/U.S. Joint Forces Command/File

(CNN)米テキサス州ラレド近郊で18日夜、米税関・国境警備局(CBP)の請負業者が運用していた米軍所有の監視気球が係留索から外れ、メキシコ国内に墜落したことが分かった。

空中に浮かんでいた気球に乗員は搭乗しておらず、地上要員の負傷者も出なかった。

この監視気球の全長は約20メートル。米軍の南部国境統合任務部隊の報道官はCNNに寄せた声明で、気球を地上に固定する係留ケーブルが嵐のさなかに他のケーブルと絡まったことを認めた。

米国立気象局のデータによると、墜落が発生した夜、付近の空港は激しい雷雨に見舞われ、最大風速は19.7メートルに達していた。

報道官によると、運用担当者がケーブルの絡まりをほどこうとしたが、ヘリウムを充填(じゅうてん)した気球は「係留から外れ」、漂流してしまったという。米軍は失われた気球の具体的なモデルについては明らかにせず、単に「中型エアロスタット」と説明した。

CBPはこの地域の全域で監視気球を運用している。高性能カメラを搭載したものや、密輸業者のドローン(無人機)その他の航空機を検知するレーダーシステムを搭載したものもある。

報道官によると、気球の所在はメキシコ軍が「ラレドの南西の人里離れた場所」で発見するまで不明だった。メキシコ軍と米軍は協調して気球の回収に当たっている。

CBPの報道官はコメント要請に応じなかった。

米国境警備隊は2012年から小型の「戦術用」気球を監視に活用し始めたが、このプログラムはたびたび資金不足に陥ってきた。12年に公表された米政府監査院(GAO)の報告書によると、こうした気球の多くは国防総省が所有する。国防総省はイラクやアフガニスタンでの戦争中、監視気球の開発と購入に50億ドル(現在のレートで約7900億円)以上を費やした。

国境警備隊を管轄するCBPは、メキシコ国境の警備強化と不法移民抑制をめざすトランプ米大統領の取り組みで不可欠な役割を担う。

国境警備の厳重化を重視するトランプ氏の意向を受け、CBPには多数の軍事要員や装備が投入されているが、時には予期せぬ結果を招くこともある。

2月には、CBPが国防総省から提供された高出力の対ドローン(無人機)レーザーシステムを使用して気球を撃墜しようとする出来事が発生。連邦航空局(FAA)がテキサス州エルパソ上空の民間空域を急きょ閉鎖する事態になった。