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緊迫する中東情勢の影響で、ふるさと納税に変化が起きています。家庭用ラップなど、日用品への寄付件数が大きく伸びています。ラベルをなくしたコメも登場。国が仲介サイトへの手数料引き下げを要請するなか、今後のあり方はどう議論されていくのでしょうか。

■寄付件数が大幅に伸びた返礼品

森圭介アナウンサー
「鈴江さん、ふるさと納税をやっていますよね。どんなものを返礼品として選んでいるんですか?」

鈴江奈々アナウンサー
「返礼品があるもので言うと、お米だったり、子どもがフルーツが好きなので定期的に届くものだったり…」

瀧口麻衣アナウンサー
「私はハンバーグや、トイレットペーパーや柔軟剤をもらいました」

森アナウンサー
「日用品やフルーツ、海鮮、お肉といろんな返礼品があります。ちょっと贅沢な返礼品を求める方も多いと思います。こういった返礼品にも、中東情勢の影響が広がっているということです」

「ふるさと納税を紹介するさとふるによると、今年4月の家庭用ラップへの寄付件数が、去年の4月に比べて約9倍になっています。中東情勢による原油高、ラップの原料と言われているナフサ供給の不安を背景に注目されたのではないかと言われています」

斎藤佑樹キャスター
「確かにないと困りますから、すごく需要はありそうですよね」

森アナウンサー
「日用品をどうせ使うんだったらふるさと納税で、ということを考えていらっしゃる方がいるかもしれません」

「さらに定期的に返礼品が届く定期便もありますが、これにも変化が出ています。ふるさとチョイスでは『トイレットペーパーを含む定期便』への寄付件数が、1年前(去年3月比)の約4倍になっています」

「もしかしたら原油高による影響を受けるのではないかという心理で、日用品の返礼品を求める動きが大きくなっているということです。街でも、ふるさと納税で日用品を選ぶ方が多くいました」

■街の人「お得感があれば検討する」

40代
「オイルじゃない? 使う物、なくなる物。コメとか頼んでいる」

50代
「普段使うトイレットペーパーとか、よく飲むお茶とか。節約術にもなってるのかな。無理に買わない。ふるさと納税で頼めていたら、スーパーで買わないようにしてる」

40代
「結局消耗品をふるさと納税で手に入れる方が、返礼率を考えた時にいいなって。お得感があればもちろん検討する」

■コメの返礼品にもある変化が…

森アナウンサー
「ふるさと納税を、節約の一環として使っている方が増えているのかもしれませんね」

直川貴博アナウンサー
「一定額を納めればもらえるということで、どうせ納めるんだったら毎日使えるものの方がうれしいですよね」

森アナウンサー
「寄付する側だけでなく、自治体が出す返礼品にも変化が出てきています。ふるさと納税で人気の返礼品といえばお米です。いわゆる令和の米騒動で人気がさらに高まりましたが、千葉県の大網白里市ではある変化をしました」

「ポテトチップスの包装の色が白黒になるニュースもありましたが、ラベルレス、デザインなどの印刷がなくなって無地の袋になったということです。ただ自分が選んでいるものなので、ラベルレスで来ても全く問題ないですよね」

斎藤キャスター
「店頭に並んでいるわけではないですもんね」

森アナウンサー
「事業者側は、中東情勢を受けた包装のラベル価格上昇の負荷を減らすことができるというのがメリット。寄付する側にとっては、中身のお米は変わらないまま、包装のコストが下がって通常のラベルよりも500円寄付額を抑えることができるのがメリットです」

「事業者側も寄付する我々側も、ウィンウィンの関係になります」

■仲介サイトの「手数料」問題に

森アナウンサー
「ふるさと納税は、9割以上の方が返礼品を紹介する仲介サイトを通じて寄付をされています。そこにかかる手数料についての課題が挙がっています」

「総務省がふるさと納税に関する金額を発表しました。2024年度に仲介サイト経由でふるさと納税をした総額は、1兆2025億円でした。仲介サイトを通して自治体に寄付をしますが、自治体側が仲介サイトに一定の手数料を支払っています」

「全国の自治体から楽天・さとふる・ふるさとチョイス・ふるなびといった仲介サイトに支払われる実質的な手数料の額は1379億円でした。寄付額の約10%が手数料になっています。ここを圧縮できれば、自治体にそれだけ多くのお金が残ります」

「この状況について、林総務大臣は『ふるさと納税で寄せられた寄付金は、まさに公金。手数料が高額に達していることについて強い問題意識を持っている。できる限り縮減を図る必要がある』と話していました」

「総務省は事業者側に、手数料の引き下げに取り組むよう要請する考えを明らかにしました。この仲介サイトがあるから、我々も返礼品を知る機会も増えるわけですが、問題になっているということです」

斎藤キャスター
「サイトを構築するサーバー費などもかかるでしょうし、それを前提で契約したんでしょうから、手数料引き下げというのもまた難しい問題になりそうです」

■手数料の引き下げ、どうみる?

森アナウンサー
「自治体側は手数料の引き下げ要請についてどう思っているのか、複数の自治体に取材しました。離島にある自治体は『まず送料が高い。これに加えて手数料に負担がかかってしまうので、引き下げ要請はありがたい』と言っていました」

「私も何度も寄付したことがあり、お肉や焼酎などのふるさと納税で大変な人気がある宮崎県の都城市は、『自治体としてはうれしい動き。手数料が下がれば、その分市の財政が増えて市民のために活用できる』と言っています」

「仲介サイト側はどうでしょうか。ふるさとチョイスは、『手数料は本来の趣旨に立ち返り、地域活性化に向けた持続可能な制度にしていくべき』と受け止めているそうです」

「楽天は『引き続き寄付者と自治体双方にとって有益なサービスの提供に努める』としています」

「ふるさと納税に詳しい慶應義塾大学の土居丈朗教授は『手数料が下がれば自治体に回るお金が増え、長い目で見れば返礼品の質の向上につながるのではないか』と期待しています。ふるさと納税のこれからの形について、どう議論が進んでいくのでしょうか」

(5月18日『news every.』より)