W杯出場は果たせなかったインド。この失望感こそが、成長の証でもある。(C)AFC

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 涙、慰め、そして誇り。

 中国で開催されているU-17女子アジアカップの準々決勝で、インドはホスト国の中国に0−3で敗れた。上位4チームに与えられるU-17女子ワールドカップの出場権。あと一歩に迫っていた“ヤング・ティグレス(若き虎たち)”の夢は、ここで途絶えた。

 インドサッカー連盟の公式サイトは、試合終了のホイッスルが鳴り響いた後のピッチの様子を伝えている。失望から崩れ落ちる選手、静かに立ち尽くす選手、コーチやチームメイトが互いを慰め合う光景が広がっていたという。

 試合後、DFアビスタ・バスネットは「この結果は予想していなかったので、話すのが難しいです」としながらも、胸の内を明かした。

「サッカーとは、時にこういうものです。それでも、大会を通して見せたパフォーマンスと、チームとしての団結力を誇りに思います。夢まであと一歩。悲しいですが、このチームを本当に誇りに思います」

 今大会での8強進出は、インドにとってU-17女子のカテゴリーで史上最高成績となる快挙だった。

 パメラ・コンティ監督も、大会全体を振り返り、選手たちの奮闘に胸を張る。インドはグループステージで、いずれも準決勝に進出してワールドカップ出場権を獲得したオーストラリア(0−2)と日本(0−3)とも対戦している。

「私たちの戦いぶりを、本当に誇りに思っています。準決勝に進んだ4チームのうち、開催国の中国を含めて3チームと対戦しました。いずれにせよ、彼女たちは私の心の中にいます。この大会で本当に美しい経験をさせてくれましたから」

 インドは21年ぶりにU-17女子アジアカップの舞台に戻り、グループステージ最終戦でレバノンに4−0で快勝。歴史的な準々決勝進出を決め、インド女子サッカー史上初となる自力でのワールドカップ出場に王手をかけていた。
 
 バスネットは、このステージまで到達したからこその失望感が、チームの成長の証だと感じている。

「これは大きな成果です。私たちはアジアカップの準々決勝に進出した最初のチームになりました。先ほども言ったように、私はこのチームをとても、とても誇りに思っています。私たちは長い間、共に活動し、その絆は家族のようになりました。これからの新たな旅と、さらなる活躍を楽しみにしています」

 1月に指揮官に就任したコンティ監督は、この大会が選手たちにとってアジアのエリートレベルで戦うために必要なものを理解するうえで、極めて重要な経験になったと強調した。

「試合後、ロッカールームで彼女たちに伝えたのは、今、あなたたちはアジアのレベルで戦うために何が必要かを知ったということです。成功への道は努力以外にないのですから、これからも懸命にトレーニングを続けなければなりません」

 インドは今大会で最も若いチームの一つで、2009年生まれが対象の大会に2010年、2011年生まれの選手も多く含まれていた。中国戦の先発メンバーのうち、2009年生まれはわずか2人。チーム全体でも23人中9人のみで、残りの14人は次回の2027年大会にも出場資格を持つ。

 AFC(アジアサッカー連盟)がU-17女子アジアカップを隔年開催から毎年開催へと変更したことは、若い選手たちにとって大きな追い風となる。

 コンティ監督も「毎年、アジアのベストチームと対戦する機会が得られます。彼女たちには多くの可能性があります。最も重要なのは、彼女たちがこのレベルを理解したことです」と、その意義を語った。

 ワールドカップ出場の夢は叶わなかったが、若き虎たちは、これがより長い旅の始まりに過ぎないと信じている。

 バスネットは力強く締めくくった。「これは終わりではありません。過去は変えられないので、今は次に何が来るかに集中しています。次は夢を現実にできるよう、もっと努力し続けたいです」

 未来につながる貴重な経験となった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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