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GW明け。全然やる気が出ない。スマホばかり見ていて、ただ時間ばかりがすぎていく――そんな人におすすめなのが、書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)だ。本書の発売を記念して、ライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

会社を辞めた。しばらく経つと不安で眠れなくなった

30歳でニートになった。

最初の数ヶ月は、それまでできなかったことを片っ端からやった。

行きたかった場所に行き、会いたかった人に連絡する。会社を辞めてよかったと、心の底から思っていた。

でも、それらをやり終えたとき、何もなくなった。

あれだけ欲しかったはずの自由が、少しずつ重たく感じられるようになっていった。

SNSを開けば、結婚した友人の投稿や、夢に向かって動いている同世代の近況が流れてくる。

会社というしがらみから抜け出したはずなのに、今度は自分で自分に点数をつけるようになっていた。

そしてニートになって初めての冬、眠れなくなってしまった。

布団に入っても寝つけず、天井を見ているうちに、ただ不安だけが増えていった。

NG行動ワースト1:「怠けている」「気合いが足りない」と自分を責める

あの頃、自分を責め、どんどん動けなくなっていた。

でも、それは単純に「やる気」の問題だけではなかったのかもしれない。

神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍するキム・ソクチェ氏は、著書『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』の中で、こう述べている。

「常に比較や評価にさらされている現代人は、とくにこのセロトニンが不足しがちです。さらには、日照不足や睡眠不足、過度な糖質制限、社会的なつながりの断絶などもセロトニンを急激に減少させます。これが自尊心の低下や衝動的な行動、感情の爆発、無気力な状態を招く引き金となり、どんどんマイナスの方向へと進んでいくのです。」――本書より

セロトニンは、気分や自尊心、社会的安定感と深く関わるホルモンで、不足すると憂鬱や不安、衝動的な反応が出やすくなるという。

もともと現代人には不足しがちで、そこに日照不足や睡眠不足、人との関わりの少なさが重なると、さらに大きく崩れていく。

当時の私は、その条件をほぼすべて揃えていた。

うまくいかないのは、「怠けているからだ」「気合いが足りないからだ」と思っていたけれど、そういう問題ではなかったのだ。

体調が戻り始めたきっかけは、単純なことだった

あまりにもやることがなくなって、昔買ったカメラを引っ張り出してきた。

近所の植物園の年パスを買い、晴れた日には出かけるようにした。カメラの腕も上がるし、体も動かせる。不思議と気分が落ち着くようになった。

ただ外に出る。それだけのことなのに、少しずつ脳の状態が整っていったように思う。

本書にもこう書かれている。

「セロトニンを回復させる方法は難しくありません。毎日少しでも日光を浴びる、規則正しい睡眠をとる、バランスよく食べる、短時間でも親しい人と会話を交わすなど、「ささやかだけれどエモーショナルな経験」を積み重ねることで十分です。軽い有酸素運動や、乳製品やレバーなどのトリプトファンを豊富にふくむ食事もセロトニン生成を助けます。」――本書より

ちょっとした行動で、気分も回復する

脳の状態が変われば、行動も変わる。

「何か変えなければ」と感じたとき、大きなことをやる必要はないのかもしれない。

ほんの少し行動を変えるだけで、その後の流れは変わっていくのだ。

本書には、「やりたくてもできない」脳の仕組みと向き合い方が、具体的にまとめられている。

動けない自分に悩む人ほど生きるヒントが見つかりそうだ。

(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』に関する特別投稿です)