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高市政権が進める政策や法案で何が議論され、日本がどう変わる可能性があるのか。そのポイントをイチから確認します。今回は、リアルな政治課題となった憲法改正について解説。具体的な流れと、最速で想定されるスケジュールはどのようなものでしょうか?

■賛成派の集会へ…首相がメッセージ

山粼誠アナウンサー
「every.では今何が議論され、日本がどう変わる可能性があるのか、継続的にお伝えしています。今回は高市首相が意欲を示す憲法改正について確認していきます」

「憲法とはそもそも、国の最高法規です。国民に基本的人権を保障し、その自由と権利を守るために国の権力を制限する役割を持っているものです。79年前に施行されてからは一度も改正されていません」

「3日は憲法記念日でしたが、東京都内では改憲派、護憲派それぞれが集会を行いました」

高市首相
「議論のための議論であってはなりません。私たち政治家が国民の皆様の負託に応えるために行うべきなのは、決断のための議論です」

山粼アナウンサー
「改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで高市首相は、『憲法は時代の要請に合わせて本来定期的な更新が図られるべきだ』などと訴えました。集会には連立を組む日本維新の会の議員や、野党からも国民民主党の玉木代表らが出席しました」

■賛成派も反対派も熱のこもった集会に

山粼アナウンサー
「一方、憲法改正に反対する集会では、共産党の田村委員長が『自民党などは憲法に自衛隊を書き込むだけだと言いますが、書き込めばどうなるのか。最後の縛りとも言える海外派遣を阻止する力が打ち破られてしまうのではないのでしょうか』と訴えました」

「(集会には)複数の野党幹部が参加し、『憲法9条が日本が戦争をするのを具体的に止めている』などと訴えました。憲法改正について、賛成派も反対派もこれまでにないほどかなり熱の込もった集会となったそうですね」

井上幸昌・日本テレビ政治部長
「そうですね。高市政権の誕生で、やはり憲法改正がリアルな政治課題として位置づけられたからだと言えると思います」

■今は「調査・論点整理」…テーマは?

山粼アナウンサー
「もし憲法改正となった場合、今の憲法では初めてのことです。どういった流れで進んでいくのか確認しておきたいと思います」

井上部長
「長い道のりが待っています。国会の動きですが、今は『調査・論点整理』の段階です」

「比較的多くの党が議論の土俵に乗れるテーマとして、衆議院では大規模災害などが起きた時に、国会議員の任期を延長するなどの緊急事態条項を創設するか否かについて議論が行われています」

「参議院では、選挙で導入されている、2つの県を1つの選挙区にする合区を解消するかどうかという議論が進んでいます。憲法9条改正の議論は、現状だけで言うと本格化はしていません」

森圭介アナウンサー
「昔、学校の授業で習ったような流れがまさに現実味を帯びてきました。この論点整理に関しては、じっくりやってほしいですよね」

憲法改正案の原案が提出できる条件

井上部長
「この先大きな焦点となるのが、『憲法改正原案の立案』です。そもそも改正の必要がないという政党もありますし、改正するにしても何を改正し、どんな条文にするのか、各党の考え方には大きな違いがやはりあります」

「仮にこの改正議案がまとまり、衆議院で100人以上、参議院で50人以上の議員が賛成すれば、憲法改正案の原案が提出できます」

■参院の議席、与党で3分の2に届かず

井上部長
「その後、衆参両院で審査が行われます。審査する憲法審査会では過半数で可決となりますが、本会議では総議員の3分の2の賛成が必要となります。ここで押さえておきたいのは、現状の衆参の議席数です」

「衆議院では与党だけでも3分の2をゆうに超えていますが、参議院では与党だけでは3分の2には届きません」

山粼アナウンサー
「こうなると、野党を巻き込んでいくことが大事になってきます」

井上部長
「改正自体に前向きな党というのがあり、国民民主党・参政党・日本保守党・みらい・無所属の議員などの賛成を得る必要があります。この3分の2を得て、ようやく発議となり、国会が憲法改正を国民に提案したことになって、国民投票へと向かいます」

■60日〜180日の「国民投票運動」

斎藤佑樹キャスター
「ここまでもかなり長い道のりですけど、この発議が出された後、国民投票という形になるんですか?」

井上部長
「そうですね。ここからもすぐというわけではなくて、長いんですよね。この発議があってから、60日〜180日の間で国会による広報・周知があり、さらに国民投票運動というものが展開されます」

「この運動は、私たちのイメージがある選挙と違い、原則自由に運動ができます。ポスターやビラの枚数など選挙だと細かい制限がありますが、(国民投票運動には)ほぼありません。街頭演説の時間までほぼ制限がありません」

「そして投票日の2週間前から期日前投票が始まります」

■選挙と同じ?…「国民投票」の形

山粼アナウンサー
「投票は、選挙と同じような形になるんでしょうか?」

井上部長
「似た形にはなります。18歳以上の人に投票権があります。投票用紙のサンプルがありますが、改正賛成の人は賛成に丸、反対の人は反対に丸をすることになっています」

「改正案がいくつかある場合が想定されますが、この場合は改正案ごとに投票箱に投票していくことになります。投票総数の過半数の賛成で改正ということになります」

■憲法96条にある「公布」手続き

瀧口麻衣アナウンサー
「投票結果は我々国民にどう知らされるんでしょうか?」

井上部長
「結果は官報で告示するということになっていまが、やはり私たちメディアは選挙の時のように出口調査を行って、いち早く国民投票の結果をお伝えすることになると思います」

「改正となれば、内閣総理大臣が直ちに憲法改正の公布の手続きに入ると定められています。憲法96条には『天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する』と書かれています。これで憲法改正となります」

■高市政権下の最速スケジュールは?

山粼アナウンサー
「今の高市政権下で実際にどういったスケジュールになるかも確認したいですね」

井上部長
「高市首相は先日、憲法改正の発議のメドを来年の春までにつけることに意欲を示しました」

「首相に近い議員の取材などをまとめると、あくまで最速の場合、今の国会で論点整理を進め、秋の臨時国会で改正原案の立案、来年の通常国会で改正原案を提出し、審査して可決、発議という流れが想定されます」

■首相サイド「総裁選は無投票で…」

井上部長
「来年9月には、高市首相の自民党総裁としての任期が来ます。首相サイドとしては、総裁選挙を無投票で乗り切り、続投を狙っています」

「ある側近議員は『憲法改正を発議すれば、党是である憲法改正に初めて着手した総裁として他には手が挙がらなくなる』と、そろばんをはじいていました」

「(このような)憲法改正の流れを念頭に置き、実際に憲法をどう変えていくのか、今後の議論に非常に注目していくことが大事になってきます」

(2026年5月4日『news every.』より)