10年前に「20グラム・9万円」で買った金(ゴールド)を発見! 今売ると「とんでもない額になる」と聞きましたが本当ですか? 今から「将来のために買う」のは“高すぎて損”でしょうか?

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「引き出しの奥から、昔買った金が出てきた」   そんな経験をしたり、身近な友人などから聞いたりしたことがある人もいるのではないでしょうか。近年の金価格は歴史的な高騰が続いており、10年前に買った金が「とんでもない額」になっていると聞けば、一体いくらになっているのか気になるのは自然なことです。   本記事では、10年前に購入した金が今いくらになっているのか、具体的にシミュレーションします。また、売却前に知っておくべき税のルールと、これから購入を考える人へ、現実的な購入方法について解説します。

20グラムの金、今いくらになっている?

田中貴金属工業の価格推移データによれば、2016年の国内金小売価格は1グラムあたり約4400円程度でした。一方で2026年4月時点の金価格は2万7000円程度で推移しているため、2016年当時に9万円前後で購入した金20グラムの評価額は54万円程度になります。
当時の取得額を踏まえると、価格はおおむね5倍以上に上昇している計算になります。
この上昇の背景には複数の構造的な要因が絡み合っていると考えられます。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の2024年調査によれば、世界の主要中央銀行の88%が「長期的な価値の保存・インフレヘッジ」として、金の保有を挙げました。
さらに、ウクライナや中東など地政学リスクの長期化も、安全資産としての金買いを後押ししています。供給量が限られる金にこうした需要が重なることが、価格を押し上げる一因になっていると考えられます。

売る前に知っておきたい「税金のルール」

金を売って利益が出た場合、その利益は譲渡所得として確定申告が必要になる可能性があります。なお、計算方法は所有期間によって異なります。
所有期間が5年以下であれば、売却益から特別控除50万円を差し引いた金額が課税対象です。5年を超えていれば、控除後の金額をさらに2分の1に軽減できるため、長く保有しているほど税負担が小さくなります。
今回のケースでは売却益が約45万円(54万円-取得費約9万円)で、特別控除50万円の範囲内に収まるため課税対象にはなりません。ただし、ほかの譲渡益がある場合は合算されるケースがあるため注意が必要です。

今から買っても「大損」にはならないのか

では逆に、今から金を買うのはどうでしょうか。価格が高騰している今、「高値掴みになるのでは」と不安に感じる人もいるでしょう。
そこで有効なのが純金積立、いわゆるドルコスト平均法による分散購入です。毎月一定金額を積み立て続けることで価格が高いときには少なく、安いときには多く購入でき、平均取得単価を抑えることができます。

まとめ

10年前に9万円前後で買った金が、今や54万円相当になりました。引き出しの奥に眠っていただけでこれだけの差が生まれたのは、金という資産の特性を改めて考えさせられる事実です。
ただし、売却する際には税金のルールを確認しておく必要があります。今回のように売却益が50万円以下であれば課税対象にはなりませんが、ほかの譲渡益との合算の有無は事前に確認しておくことが大切です。
また、これから購入を検討する場合は、一括購入ではなく毎月一定額の積立方式を選ぶことで高値掴みのリスクを分散できます。金は利息や配当を生みませんが、株式や債券とは異なる値動きをするため、資産全体のリスク分散として機能します。資産の一部として少額から持ち始めるのが現実的な選択肢ではないでしょうか。
 

出典

国税庁 No.3161 金地金の譲渡による所得
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種