「憐れみ」はなかなか扱いにくい感情語彙!「同情」を意識すべき理由とは?【プロの小説家が教えるクリエイターのための語彙力図鑑】

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「憐れみ」はなかなか扱いにくい感情語彙!「同情」を意識すべき理由

あわれみ [英:Pity]

憐れみの意味

可哀そうに思い、深く同情すること。

憐れみの類語

哀憐 不憫 慈悲 惻隠 悲哀 哀切 憐情など

憐れみにおける体(フィジカル)の反応

表情が暗くなる
涙が流れる
相手に寄り添う
どういうべきか迷いながら、相手を慰める
うなずいて共感する
目線を落とす
唇を固く結ぶ
腰を落とす
優しく接する
ものや手をいじる
胸が締めつけられる
嘆息を漏らす
険しい顔つきになる
相手と肩を並べる
体をぽんぽんと叩く

憐れみにおける心(メンタル)の反応

悲しくなる
辛くなる
相手を労わりたいと思う
心を痛める
慈しむ
心配になる
嘆かわしい
思いやりたい
相手をおもんぱかる
同情心にほだされる
意識して気を配る
しんみりする
かわいそうに思う
相手に理解を示す
どう声をかければいいかわからず気まずい感じがする

「憐れみ」は優位な立場から見てかわいそうだという前提

「憐れみ」よりも「同情」を意識すべき

人の心を司る独特の感情のひとつ「憐れみ」。優しい気持ちの一部のように捉えられ、実際に間違いではないものの、じつはなかなか扱いにくい感情語彙です。その理由は簡単。「憐れみ」は劣位の人に抱く感情だからです。つまり「憐れみ」を施す人は優位な立場の自分から見てかわいそうだという前提があり、読者には“嫌な奴”に映りかねません。

一方、「同情」であれば優劣に関係なく、あらゆる人を対象に思いやる気持ちと優しさが含まれます。表現用途として無難かつベターなのは、「憐れみ」より「同情」だと覚えておきましょう。実際、「憐れみ」はよい意味では使われません。《同類相憐れむ》とは、弱い者同士で傷を慰め合う、という意味ですし、江戸五代将軍徳川綱吉が発令した《生類憐みの令》は犬猫などの生き物を対象に「憐れみ」の施しを命じています。不用意に誰も「憐れむ」主人公は、お高い身分で共感されにくいキャラになるのでご留意を。

出典:『プロの小説家が教えるクリエイターのための語彙力図鑑』秀島迅