『友あり 遠方より来たる』 中国館の外壁、関西空港・国際線到着フロアへ《Expo Legacy》
大阪・関西万博の中国パビリオン外壁の一部が、パネルとして関西国際空港・第1ターミナル(大阪府泉佐野市など)の国際線到着フロアに移設され、4月28日に公開セレモニーが開かれた。


関空、大阪(伊丹)、神戸の3空港を運営する関西エアポートは、大阪・関西万博のフランス、カナダ、フィリピン、中国、パナソニック館、住友館、大阪ヘルスケアパビリオンなど国内外の11パビリオンから展示物や作品計13点の提供を受けた。



大阪・関西万博で発信された海外各国の文化や価値観、サステナビリティへのメッセージを、レガシー(遺産)として継承する「EXPO Legacy Project」の一環。

竹簡を広げたようなデザインの中国館の外壁には、119の漢詩や故事成語、名句が隷書体(れいしょたい)で刻まれていた。
扁平な字形と波のようにうねる「波磔(はたく)」と呼ばれる横画(おうかく・右上がり)が特徴。


その中から関西空港へ移設、公開されたのは、論語の一節『友朋自遠方来 不亦楽(友あり遠方より来たる また楽しからずや)』という部分。
2008年に開催された北京五輪の開会式で歓迎の言葉として引用されている。

関西空港は2025年度、国際線と国内線を合わせた総旅客数が前年度比6%プラスの3354万人(速報値)にのぼった。
このうち、国際線旅客数が8%プラスの2708万人。いずれも年度として2年連続で過去最高を更新した。
円安傾向や大阪・関西万博の開催効果もあり、インバウンド需要が好調だったことから、外国人旅客数は2120万人と、開港以来初の2000万人超えとなった。

多くの海外客を受け入れる国際空港らしく、“志を同じくする友が遠方から来るのは楽しいこと”と、歓迎の気持ちを込め、多くの到着客が往来する第1ターミナル2階の壁面に飾られた。


関西エアポートの山谷佳之代表取締役社長CEOは、「大阪・関西万博会期中は、ファーストパビリオンとしてお客さまを出迎え、ラストパビリオンとしてお見送りしてきた。単なる移動拠点ではなく、文化や記憶が交錯する場になればとの思いがある。これからも関西と世界を結ぶゲートウェイとして交流と発信の拠点でありたい」と抱負を語った。


中国パビリオンの内部では、月の表と裏側の砂を展示。このほか古代文化や四季折々の自然、最新の科学技術を没入型体験でき、人気のパビリオンのひとつだった。会期の最後に、博覧会国際事務局(BIE)から、優れたパビリオンとして「展示・デザイン部門」で金賞(※)が贈られた。


中国国際貿易促進委員会駐日本代表処・史銘(し・めい)主席代表は、このことに触れ、「中国館は多くの方々にお越しいただいた。とりわけ、関西のみなさんに支えていただいたことに感謝したい。万博の幕を下ろすことなく、この展示は中国文化をみなさんに触れていただく機会だ」と歓迎の言葉を述べた。


※自国建設の「タイプA」(敷地面積1500平方メートル以上)が審査対象。このほか「建築・景観」の部門でサウジアラビア、「テーマ解釈」でイタリアがそれぞれ金賞に選ばれている。
