「打率.208」「31三振」でも「村上宗隆」がメジャーで評価される“ホームラン以外”の理由 “強打者の指標”が圧倒的な数値を記録していた
日本時間の4月20日、アメリカのメジャーリーグ(MLB)ホワイトソックスの村上宗隆はアスレチックス戦の5回無死一塁で飛距離約130メートルの特大2ランを放った。これで3試合連続のホームランとなり、アメリカのスポーツメディアも村上を非常に高く評価している。それでは21日現在の打撃成績を見てみよう。
***
【写真】兄の村上宗隆選手と顔がそっくり! 九州学院の4番だった村上慶太さん。その後、日大に進学した。
確かにホームランを、すでに8本も放っている。このまま打ち続ければ50本を超えるのは確実という。ところが打率は2割0分8厘しかないのだ。もし村上が今季もヤクルトでプレーしていたならば、この低打率は問題視されたかもしれない。せっかくホームランを放ってチームに貢献したにもかかわらず、差し引かれた可能性がある。

さらに三振が多い。31三振はア・リーグで何と3位ワーストタイだ。いわゆる“三振かホームランか”というバッターは人気者になるケースもあるが、“大味”と好まない野球ファンも決して少なくない。
ところがアメリカのメディアは村上を高く評価しているようなのだ。一体、なぜなのか、MLBアナリストの友成那智氏は「確かに“三振かホームランか”というバッターはアメリカでも評価は下がる傾向があります」と言う。
「しかし村上選手は違います。単なる“三振かホームランか”という荒っぽいバッターではありません。なぜなら四球の数が多いのです。20四球はア・リーグの3位という素晴らしい成績です。選球眼が良く、ボールをバットに当てるのも非常に上手い。2ストライクで追い詰められてもファールと見逃しでピッチャーにプレッシャーを与え、最後は四球で出塁するという打席がいくつもありました。そのため出塁率が3割7分6厘に達しています」
ホームラン・ダービー
「さらにアメリカではスポーツメディアも野球ファンもOPSを重視します。これは出塁率と長打率を組み合わせた指標で、チームへの貢献度を示します。コンマ9以上で強打者とされますが、村上選手はコンマ918と目を見張る数値です。ホワイトソックスは2年契約で合計70ホームラン、つまり1シーズンで35本を打ってほしいと考えているはずです。つまり今の村上選手はチームの期待を超える成績を残していることになります」(同・友成氏)
村上はホワイトソックスと短期契約を選択した。2年の契約を終えれば、再び各球団との交渉が始まる。
その際、内野手としての守備力が問題視される可能性がある。MLBでは内野も自然芝という球場が多く、単なる内野ゴロでもボールが複雑にイレギュラーする。日本の場合、内野は人工芝という球場が少なくない。例えば日本のプロ野球では名内野手として高く評価されていた松井稼頭央氏でさえ、MLBでは守備に苦労した。
「ホワイトソックスの首脳陣も村上の守備に難があることは折り込んでの起用を続けています。さらに弱小チームなので、絶対にマイナーに落とされることはないというメリットもあります。村上選手は今季、打点王を狙えると私は期待していますが、活躍するほどファンの人気が集中し、オールスターに選出される可能性が上昇します。もし出場が決まれば、ぜひホームラン・ダービーに挑戦してほしいのです。村上選手が晴れの大舞台で長打力を見せつけることに成功すれば、全米の野球ファンが注目するでしょう。ただ、今後も村上選手が打ち続けると2年後どころか、今年7月のトレードで、いわゆる“金持ち球団”に移籍してしまうかもしれません。そうなるとオールスターはどうなるか……。いずれにしても村上選手の実力は本物であり、今季は大活躍が期待されます」(同・友成氏)
デイリー新潮編集部
