遺産業務で1億4千万円着服、司法書士に懲役7年…長野地裁支部「立場悪用し依頼者の信頼裏切った」
司法書士として携わった遺産承継業務で顧客から預かった預貯金を着服したなどとして、業務上横領と詐欺の罪に問われた長野県駒ヶ根市、無職古田千洋被告(41)に対し、長野地裁飯田支部(柳沢諭裁判官)は15日、懲役7年(求刑・懲役8年)の実刑判決を言い渡した。
判決によると、古田被告は2023年12月〜25年1月、複数の顧客の口座から、計15回にわたり、自分名義の口座に計約1億4000万円を入金して着服するなどした。自己の投資などで生じた損失をFX取引で取り返すため、依頼者のために保管していた相続財産を元手にしたとした。
柳沢裁判官は量刑の理由について「司法書士の立場を悪用して依頼者の信頼を裏切り、1年以上の長期にわたり横領を繰り返した規範違反の程度は著しい。被害弁償のメドも全く立っていない」などと指摘。一方「犯行の大部分について自ら警察に申告した自首の事実は一定程度考慮すべき」と述べた。
古田被告の弁護人は取材に対し、「現時点で控訴はしない方針」とした。
司法書士360人余りの会員が所属する県司法書士会(長野市)によると、県内の司法書士が業務上横領容疑で逮捕・起訴されたのは初めてだという。古田被告は実刑判決を受けたことから、今後、司法書士法に基づく処分としては最も重い「業務禁止」の懲戒処分が行われ、司法書士の資格を失う可能性が高いという。
