繰り返された「もっと」――158キロの剛速球も無に帰す“悪癖” 佐々木朗希の現状を“専任捕手”はどう見ているのか?

写真拡大 (全2枚)

制球難で球数がかさみ、早期降板を繰り返してしまっている佐々木(C)Getty Images

「一番の反省はまず球数が多かったので、イニングがあまり投げられなかった」

 地元局『Sports Net LA』で、そう自身の登板内容を振り返った佐々木朗希ドジャース)の表情は暗い。現地時間4月12日に行われた本拠地でのレンジャーズ戦に先発した背番号11は、4回(94球)を投げ、被安打5、2失点、6奪三振、5四球の内容で降板。またも白星は手に出来なかった。

【動画】クセを見抜かれた!?佐々木朗希の投球シーンをチェック

 ボールのキレ自体は悪くはなかった。投球の生命線ともなる4シームの最速は98.3マイル(約158.1キロ)を叩き出し、「ベース板の上を行く球が多かった」と振り返るスプリットも効果的に使えていた。実際、強打のレンジャーズ打線から計6奪三振を記録し、空振り率も38%と悪くはなかった。

 だが、投げていく中でどうしても“悪癖”が顔を覗かせる。オープン戦から続く制球難は佐々木の足枷となり、毎回、四球を出す苦しい投球を招いた。『Sports Net LA』の取材に応じたデーブ・ロバーツ監督は「最小限の失点で抑えたし、試合を制御不能な状態にはさせなかった」と荒れながらも2失点に留めた結果を評価したが、コントロールの課題が一向に改善されない状況は、長いシーズンを見通しても看過すべきではない。

 では、佐々木を支える“相棒”は、その現状をどう見ているのか。この日もスタメンマスクを被った25歳の若手捕手であるダルトン・ラッシングは、「打ち取れたはずのバッターを歩かせてしまった。だけど、先頭打者を歩かせた後にしっかりと立ち直り、空振りを取れていたのは良かった。決して悪い登板内容だったとは思わない」と分析。その上で、マウンド上でもがく怪物右腕の課題を突き付けている。

「結局は、いつもと同じ課題なんだ。もっと積極的にバッターを攻めることに集中すべきだと思う。そして、もっとカウントを有利に進めないといけない。そうすれば、対峙する打者のカウント状況も変わるし、ボール球を振らせられる確率だって上がってくる。それは走者を背負った場面で彼が見せた投球を見れば明らかだよ。スプリッターやカッターでカウントを稼ぎ、速球やスプリッターでより多くの空振りを奪う。それが肝だ」

 打者に対して優位な状況を作ること――。「もっと」と繰り返しながら改善案を提唱したラッシングは、「もっと早い段階でストライクゾーンを確立させる必要があるとも感じている。もしも、初球から勝負ができれば、彼はもっと……良くなるはず」と吐露。そして、今季からほぼ専任でコンビを組んでいる佐々木に寄り添う姿勢を見せている。

「明日から彼と話し合うよ。一球一球、一人ひとりの打者を振り返って、何が本当に良かったのか、そして何を改善できるのかを理解していこうと思う」

 このままでは先発ローテーションから外される未来も見えてくる。この試練をどう乗り越えていくか。佐々木は間違いなく真価を問われ続けている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]