葉物野菜は豊作だが…(C)日刊ゲンダイ

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 イラン情勢の混乱は、農業にも影響を与えつつある。野菜価格の動向は気になるが、まだ高値をつける品目は少ない。

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 農水省は先月31日、今月の「野菜の生育状況及び価格見通し」を更新。全15品目のうち、ハクサイ、キャベツ、ネギ、レタスの4品目の価格が「平年を下回って推移」とした。主産地の天候が恵まれたため、安定した出荷が見込まれるからだ。他の多くの品目も生育はおおむね順調で、価格は「平年並みで推移」とのこと。

 ばれいしょ(ジャガイモ)とタマネギの価格は「平年を上回って推移」とあるが、これは昨年から主産地の北海道で高温や干ばつが発生し、出荷数量が減少したことによる。東京都中央卸売市場(2日時点)でも、キャベツが平年比で1割安、ハクサイが2割安、ネギは3割安。少なくとも現時点では、イラン情勢の影響はそこまで出ていないようだ。

「最近は、葉物野菜を中心に、豊作だった作物が少なくない。5月までは、多くの野菜で急激な値上がりはないとみられています」(農水省担当記者)

■日本は肥料原料のほぼ全量が輸入頼み

 ただ、すでに各産地の農業従事者からは「燃料代が上昇し、負担になっている」との声が上がっている。中東の混乱が長引くほど、日本の農業が大きな打撃を受けるのは間違いない。燃料以外にも懸念されているのが、肥料の高騰だ。中東諸国は、肥料やその原料の一大産地。輸送路であるホルムズ海峡が封鎖状態にあり、世界的に肥料の供給が滞りつつある。

 しかも、日本は肥料原料のほぼ全量を輸入に頼っている。鈴木農相は先月27日の会見で「ほとんどの農業者が、この春に必要な肥料はほぼ調達済み」とコメント。直ちに影響はないとしたものの、今後の見通しは不透明だ。

「肥料価格の世界的な上昇の影響が、秋口からじわじわと出てくるでしょう。原油価格も今後どうなるかわからず、輸送費の上昇や、ハウス栽培用ビニールなど農業用資材の値上がりも予想されています」(前出の農水省担当記者)

 野菜を安く買えるのは、今のうちかもしれない。

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