直近の“ビットコイン”の相場は「1BTC=1000万円超え」! 「税制優遇」も進むと聞いたので、老後に向けた資産形成として気になっています。50歳からでもリターン重視なら「アリ」でしょうか?
令和8年税制改正大綱では暗号資産の「分離課税化」が視野に
SBI VCトレード株式会社のチャートを確認すると、ビットコインの値動きは2026年2月を通しておおむね1000万円前後で推移しており、底堅い需要がうかがえます。こうした市場の成熟を受け、財務省「令和8年度税制改正大綱」では、暗号資産の課税方式に大きな変更が加えられる方針が示されています。
同資料の「一 個人所得課税 3 金融・証券税制」 によると、「金融商品取引法等の改正を前提に、次の措置を講ずる」としたうえで、「居住者等が、暗号資産取引業(仮称)を行う者に対して暗号資産(金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等に限る。以下「特定暗号資産」という。)の譲渡等をした場合には、その譲渡等による譲渡所得等については、ほかの所得と分離して20%(所得税15%、個人住民税5%)の税率により課税する」との記述があります。
これにより、今後の法改正を経て適用される見込みです。
総合課税で「最大55パーセント台」だった税率は「20.315パーセント」となる見込み
これまで暗号資産の取引で得た利益は、原則として所得税法上の「雑所得」に区分され、総合課税の対象とされてきました。総合課税では、給与所得などほかの所得と合算した金額に対して累進税率が適用されます。
課税所得が高くなるほど税率も上がり、所得税の最高税率は45パーセントです。これに所得税額の2.1パーセント分として課される復興特別所得税、さらに一律10パーセントの個人住民税を加味すると、実質的な税率は最大で55.945パーセントです。
一方で、株式や投資信託などは「申告分離課税」の対象であり、税率は一律20.315パーセント(所得税15.315パーセント、住民税5パーセント)です。改正が実現すれば、暗号資産もこれらと同様の税率が適用される見込みです。給与所得などと合算されなくなるため、実質的に税率が軽減されるといえそうです。
「繰越控除」「損益通算」の適用で資産形成には追い風の可能性も
今回の改正案では、資産形成を後押しする重要な措置も含まれています。前記の資料によると、「繰越控除」と「損益通算」が導入される見込みです。
繰越控除:取引で損失が出た場合、翌年度以降3年間にわたって利益から差し引くことができる
損益通算:特定暗号資産同士であれば、利益と損失を相殺できる
これらはすでに上場株式等の税制で導入されており、暗号資産でも導入が検討されており、実現すればより戦略的な資産運用が検討できるようになります。
暗号資産は価格変動が激しく、元本を割り込むリスクも無視できません。しかし、税制が整備され、他の金融商品と同じ土俵に乗ることで、リスク許容度の範囲内であれば、老後資金の形成手段として一考の余地があるでしょう。
まとめ
ビットコインの相場が1000万円を超える中、税制改正によって暗号資産は「高い税金」という壁を乗り越えようとしています。50歳からの資産形成においてリターンを重視したい場合、この税制優遇は追い風となる可能性があります。
ただし、暗号資産特有の価格変動幅を理解して、取り入れることが大切なようです。新しい税制の動向を注視しながら、老後に向けたポートフォリオを構築してみてはいかがでしょうか。
出典
財務省 令和8年度税制改正の大綱 一 個人所得課税 3金融・証券税制
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
