昨今、増加傾向にある「若者上司とおじさん部下」の構図。価値観や仕事の進め方などが異なり、どう接していいかわからないと職場のコミュニケーションに悩む人が増えている。

【映像】年下上司がイラッとしたおじさん部下の行動

 ニュース番組『わたしとニュース』では、年齢逆転の職場で起きるコミュニケーションの悩みについて、話し方トレーニング「kaeka」代表の千葉佳織氏のアドバイスを交え、EVeM VP of Impactの滝川麻衣子氏とともに深掘りした。

■若者上司には「アイメッセージ」おじさん部下には「我慢せずに質問」を推奨

 日本企業の中で今後も増え続けるという、年下上司と年上部下。それぞれが抱えるコミュニケーションの悩みは、どうしたら解消できるのか。

 ビジネスシーンで使える話し方のトレーニングを行っている千葉氏に、まずは年下上司が抱える指示をする難しさの対処法を聞いた。

「おすすめはアイメッセージで(年上部下に)伝えるということ。アイメッセージというのは「I(アイ)=自分」を主語にするものなので、『今私こういうことに困っています。どう思いますか?』と尋ねる形。アイメッセージにしておくと、その大変な状態を一緒に探って改善していこうという形になるので、相手に配慮が伝わる伝え方ができるかと思う」(千葉氏、以下同)

 続けて、年上部下が上司からの遠慮を感じた時や、自身の知識や経験に基づく違和感に関しては、次のようにアドバイスを送る。

「『もしかして気を遣ってますか?』ってニコッとして尋ねてみたらいいと思う。そうすると、相手も率直に話しかけてくれたりもすると思うし、それでお互いにいいコミュニケーションを模索できたりもする」

「“我慢しない”“言う”ことが大事。(指示に)納得できないのであれば、意図をしっかり聞いた方がいい。その状況でいただいた指示に対して『はい、やります』と言っても、なかなか熱意を込めて仕事しづらいと思う。なんでその指示をしてくれたのかという理由を聞いてみたり、私にその指示をくれたところの期待は何なのかをもっと深掘ってみる。そうすることで、自分にこの役割が合っているんだなという納得度が増えて、結果的に熱意を持って仕事ができるという状態になれるかと思う」

■時短勤務の女性上司と男性の年上部下…アンコンシャスバイアスへの対処法

 年下上司の中でも、子育て中で時短勤務をしている女性が上司だった時に、年上の男性部下がついた時には、お互いより接し方への工夫をしてほしいという。

「私はアンコンシャスバイアス、まずこれが大きく関連していると思っている。育児をされている方もいろいろな価値観を持っているけれど、例えば、女性である、そして育児をしているということによって、仕事はこれくらいにしたいのかなとか、この仕事は渡さない方がいいのかなと(男性部下が)自分で解釈しすぎてしまって、コミュニケーションを取りに行かないこともある。無意識のうちにこうなんじゃないかと決めつけてしまうことが、今の関係性の中では起こりやすいかなと思う」(千葉氏)

 無意識の決めつけであるアンコンシャスバイアスの危険性に、どのように対処すると良いのか。

「どう働きたいのかを言語化すること。それはアンコンシャスバイアス全くなしにして、本人の意思をしっかりと言葉として聞いていく。そうすることでその方の価値観に沿った仕事の提案ができたりとなっていくと、関係性は構築しやすいかなと思う」

 これには滝川氏も同意する。「育児中の人とか子どもが小さい人に対して配慮しましょう、残業させないようにしましょうみたいな風潮が社会に浸透したこと自体は良かったと思うけれど、今度は逆に腫れ物に触るように接するみたいなことも副作用として生まれている面もある。子育てしている人はちゃんと支援しなきゃ、支えてあげなきゃ、困っているんじゃないかな、大変だよねっていうのが走りすぎると、それはそれで決めつけになってしまう」。

「子どもがいてもバリバリ働きたい人もいる。ただ、自分も子育てしている側だから思うけど、やっぱり自分がどういうタイプなのか、どのくらいの仕事の仕方なのかをしっかり自己開示するのも(必要で)、これは気を遣われる側の責任もあるかなと思う」

■職場のコミュニケーションを変える「Good & New」と役割の認識

 職場のコミュニケーションを活性化させるために何ができるのか。千葉氏によると、普段の業務連絡のやり取りが良質な意思疎通に変化する「Good & New」という方法があるという。

 その日にあったいいこと(Good)と新しいニュース(New)を職場のメンバーに伝えることで、些細なことでも話していいという空気ができ、真剣な話もしやすくなるそうだ。

 滝川氏もこの方法に賛同する。「いいですね。あと『Good & Newをやろうね』と最初にコンセンサスを取っておくのがすごく大事な気がする。この時代はリモートなどで接触が減っている、世代間コミュニケーションギャップもある。なら、あえて仕組み化をした方が話が早い」。

(『わたしとニュース』より)