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憧れのアルファ・ロメオは2000GTV

イタリア車だけを乗り継いでいる筆者にとって、『アルファ・ロメオ・ジュリア』は思い入れのあるクルマだ。

【画像】昨年11月に発売された46台の限定車!『アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオ・エストレマ』 全44枚

運転免許証を取得する前、憧れのアルファ・ロメオは1970年代の『2000GTV』だった。その年代のアルファといえば『段付き』と呼ばれる『ジュリアGTA』が頂点で、ベースとなるジュリア・クーペの人気が高かった。しかし私はその発展形となる2000GTVの形が好きで、いつか乗りたいと思っていたのだ。


ワールド・カー・ガイド(右)の表紙が、Bowさんの描いた2000GTVだった。左は後の文中で登場するムック。    平井大介

その思いは、大学生の時にネコ・パブリッシングから発売された、『ワールド・カー・ガイド9アルファ・ロメオ』の表紙が、Bowさんの描いた2000GTVだったことも大きい。白い2000GTVの美しいこと! まさかその出版社に入社し、増刷にあたりその改訂版編集を担当することになるとは夢にも思わなかったが、運命的な何かを信じたくなる。

だからか、2015年に現行ジュリアが登場した時、その車名を使用することに違和感を覚えた。もちろん、1970年代当時は『醜いジュリア』と呼ばれたベルリーナ=セダンもラインナップしていたから、歴史的におかしな流れではない(むしろベルリーナも好きな1台)。単純に憧れが強すぎたゆえに、拒否反応を起こしただけだ。

しかもその後、どこかのモーターショーで初めて実車を見たときに、何だか大きくてもっさりしていると感じたのも、今思えば拒否反応の一環だったように思う。実際に取材してみるとそんな違和感はあっさり覆るわけだが、デビューから約11年、今でも生産が続いているとは、当時はもちろん想像できなかった話だ。

新車当時カー・マガジンの誌面で書いたこと

日本で現行ジュリアの販売が開始されたのは、2015年6月の本国発表から2年以上が経った2017年秋のこと。新車当時は4グレードで導入された。

具体的には、200ps版の2Lツインスクロールターボを積む『ジュリア』(右ハンドル17インチ)、同じく『ジュリア・スーパー』(右、前後異形18インチ)、その280ps版となる『ジュリア・ヴェローチェ』(左、18インチ)、510psの2.9リッターV6ツインターボを積む『ジュリア・クアドリフォリオ』(右、19インチ)だ。


今回の取材車は、昨年11月に発売された限定車『ジュリア・クアドリフォリオ・エストレマ』。    平井大介

トランスミッションは全てトルコンの8速ATで、ヴェローチェだけがAWD(Q4)となる。そう、クアドリフォリオがFRなのは意外だった。

初めて乗った時のことは、今でもよく覚えている。最初に左ハンドルという理由で選んだ『ヴェローチェ』が大正解。当時所属していたカー・マガジンのNo.475で書いた原稿を読み返すと、今回と同じように新型ジュリアへの違和感をブツブツと書いたあと、このように記している。以下引用。

『嗚呼、もう何とズルイヒト、いやクルマなのか。結論から書けば、最初に借り出したジュリア・ヴェローチェで夜の首都高速に乗り入れて、最初のコーナーをすーっとキレイに旋回した時に、そういったことは全て忘れてしまった!』。

10年近く経った今でもよく覚えている

また、後のセンテンスでその興奮を以下のようにレポートしている。

『旋回のキレイさは先に書いたが、AWDだからか空力がいいからか、いや恐らくその両方の恩恵でビシっとまっすぐ走る感じも気持ちよく、その加速もターボとはいえ不自然さは感じない。そして280psはやはり、かなりの速さ。(中略)嗚呼、何て楽しいのか! いや〜いいクルマ作ったなあ〜と車中で悶絶しながら、気がついたらアクアラインを越え、100km以上を一気に走っていた』。


『エストレマ』とは、究極、最上級を意味するイタリア語。46台を日本に導入する。    平井大介

この時の感触は、10年近く経った今でもよく覚えている。これがはっきりと、現行ジュリアのことが好きになった瞬間だ。

その後ジュリアは、モーターショーで限定車を見かけたり、マイナーチェンジで進化したことを感じて嬉しくなったり、アルファ・ロメオ宇都宮のショールームでGTAを撮影し、それを表紙にした2022年のムック、『スクランブル・アーカイブ・アルファ・ロメオ・ジュリア』の編集を担当したり、それなりに深い付き合いをしてきた。

だから今回、昨年11月に発売された限定車『ジュリア・クアドリフォリオ・エストレマ』を取材することになり、正直に書けば、特別な思い入れを持って臨むことになった次第だ。

取材車は昨年11月に発売された限定車

『エストレマ』とは、究極、最上級を意味するイタリア語。具体的には以下の特別装備が用意されている。

●エクステリア
・アクラポビッチ製エキゾーストシステム
(チタン製リアマフラー、カーボンフィニッシャー)
・19インチ軽量アルミホイール
・ブラックブレーキキャリパー
・ダーク『GIULIA』バッジ


取材車はヴェズヴィオグレーで、広報車にしては珍しい左ハンドルとなる。    平井大介

●インテリア
・スポーツレザーシート
・ステアリングヒーター、シートヒーター
・6ウェイパワーシート(前席、運転席メモリー機能付き)
・パワーランバーサポート、パワーサイドサポート(前席)

また、合計46台となるボディカラーとステアリング位置の組み合わせは以下のとおり。価格は1447万円だ。

ヴェズヴィオグレー:左4台 右10台
ブルカノブラック:左6台 右5台
ミザーノブルー:左1台 右1台
エトナレッド:左1台 右1台
モントリオールグリーン:左5台 右4台
アルファレッド:左2台 右6台

取材車はヴェズヴィオグレーで、広報車にしては珍しい左ハンドルとなる。

……長くなってきたので、次回後編(3月22日公開予定)に続きます。