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ステランティス・パワーユニット延長戦

プジョー3008、2008、208と続いた、プジョー(ステランティス)の1.2L直列3気筒ターボのマイルドハイブリッドエンジン搭載車シリーズ。その延長戦として、今回は208と同じスペックのパワーユニットを搭載する『シトロエンC3』の話である。

【画像】フレンチポップな道具!シトロエンC3マックス 全49枚

新世代デザインのシトロエンらしく、C3もかなり強いデザインとなった印象だ。エンブレム以外にもフェンダーのブラックパーツなどにダブルシェブロンのモチーフが使用され、遊び心も感じられる。


今回の取材車は『シトロエンC3』の上級グレード、『マックス』。    平井大介

遊び心といえばドアのインナーパネルに入っているタグで、運転席に『have fun』、助手席に『be cool』、後部座席右に『be happy』、左に『feel good』と書かれている。なお、日本仕様の右ハンドルと、現地の左ハンドルで左右入れ替えか広報写真で確認したところ、位置はそのままだった。

新型のボディサイズは全長4015mm、全幅1755mm、全高1590mmで、先代に比べると全長が20mm、全幅が5mm、全高が95mm長くなっている。ちなみに先代に設定されていたC3エアクロスと比べると、全長が145mm、全幅が10mm、全高が40mm、逆に全て短いもので、先代C3とC3エアクロスの中間といえるサイズだ。

さて、広報車で受け取ってちょっと驚いたのは、キーが差し込み式であること。キーをどこに置いたかすぐにわからなくなる筆者にとっては、逆に有難い話なのであるが、今どき珍しい設定だ。

全幅の数値よりも広く感じる室内

乗り込んでみると、いわゆるトールボーイスタイルで見た目のアクティブさはありつつ、室内では視界の広さや頭上スペースの余裕に繋がっていることを感じた。その感覚は、実際の数値以上に広く思えるものだった。

プジョーのiコクピットのようにステアリングよりもメーターが高い位置にあるので視認性はかなり良く、デザインも近年のシトロエンらしくシンプル。それでいて、ハイブリッド切り替えのアニメーションがどこかポップなのも、シトロエンというかフランスらしい部分だ。


プジョーのiコクピットのようにステアリングよりもメーターが高い位置にある。    平井大介

小径かつ台形気味のステアリングは操作しやすく、街中で身軽に走ってくれるパワートレインとの相性は抜群。街中でかなりキビキビ走ってくれるので、ポップなデザインと相成って、毎日過ごすのは楽しいだろうなぁとだんだん明るい気分になってくる。

装備面では、取材車は上級グレードの『マックス』で、シートヒーターだけでなくステアリングヒーターまで付いているのは重宝した。個人的に欲しいと思ったのは電動テールゲートとオートホールドだが、なくても困る話ではない。

もうひとつ個人的な話として、スマートフォンをブルートゥースで2台繋げないのは不便だった。個人用アンドロイドと仕事用iPhoneを使い分けているのだが、片方しか繋げなかったのだ。ナビゲーションが装備されていないのでグーグルマップなどに頼ることになり、レアケースとはいえ、気になる人はいるかもしれない。

40kg重いにもかかわらず

今回はそれなりに長い期間乗らせて頂いたのだが、プジョー208と同スペックであるにもかかわらず208で感じたパワー不足を、不思議とC3では特に感じなかった。しかもこちらが40kg重いにもかかわらずだ。

これは208は2008に比べてという部分が大きく、さらにプジョーとシトロエンのキャラクター、言い換えればブランドに対する期待値やイメージの違いだろう。


シトロエンお得意の『アドバンストコンフォート』を標準で採用。    平井大介

そして何より、C3にはシトロエンお得意の『アドバンストコンフォート』と『PHC』(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)が採用されていることに注目だ。

背が高くなるということは、どうしても重心が高くなる傾向にある。そのため車体上側を揺らさないように、足まわりも硬くなることが多い。以前、某国産車エンジニアにその話をしたところ、最近は高剛性の接着剤を使用することで、ボディの剛性を上げつつしなりを吸収し、足まわりを柔らかくしているとの答えだった。

これはあくまでひとつの対策例だが、C3の場合は座り心地のよいアドバンストコンフォートとセカンダリーダンパーを備えるPHCで補っているように感じた。

PHCがついているわりには減衰が高く感じる

高速道路を走っていると、PHCがついているわりにはダンパーの減衰が高く感じる場面があったが、逆に言えば、PHCがないともっと足まわりを固める必要があったはず。また、その硬さをシートの乗り心地でカバーしているのだろう。

念のため断っておくと、いい悪いの話ではなくあくまで特性の話だ。このあたりはコストとの兼ね合いで、こういったベーシックカーでどこまで作り込むかは難しい部分で、個人的にはトールボーイのスタイリングを前提とするなら、いい落としどころのように思っている。


取材車のボディカラーはブライトブルーで、雰囲気はいかにもポップ。    平井大介

ということで、長距離移動が多い方は同じシトロエンでいえばC4、プジョーでは2008あたりの選択肢もあるかもしれない。しかし街中が中心の場合、C3はサイズもちょうどよく、何よりも毎日が楽しくなる明るい雰囲気が魅力的だ。

リアシートは頭上の高さも広さも十分で、テールゲート下側が若干高い印象はあるものの、スーツケースは大が1個、小が2個綺麗に収まったラゲッジスペースも容量は十分。装備も必要なものはちゃんと付いている印象で、C3をひとことで表すなら『フレンチポップな道具』といったところだ。

個人的にはブライトブルーのボディカラーも好みで、駐車場で乗るのが毎回嬉しくなったのは強調しておきたい。