銀座ホステスが明かす意外な過去。家ナシ職ナシ貯金ナシ、日払いバイトで食いつないだ日々と“幸せな離婚”
ところが、ギャラが安すぎる。あの安いギャラでは都内のマンションの家賃は払えません。そもそも引っ越し費用を捻出できません。かといって、いつまでも友人宅のソファに陣取るわけにもいかず、私は銀座のクラブの面接を受けることにしました。
これが難航しました。
◆安キャバに体験入店
肌ツヤと美しさが大幅に目減りした状態で再び世にはなたれ、銀座のクラブの面接に挑んだ筆者ですが、自己評価は26歳で結婚した当初のままです。無職は自分を客観視する機会があまりないせいでしょう。「日給5万円以上で」「ノルマなしで」と条件をつり上げ、それでも採用されるとたかを括っていました。
採用されるわけがありません。
「あれ?もしかして、うちっておばさんなのかもしれない」と、気が付いた私は、条件を大きく下げ、「日雇いナビ」みたいな名前の変なサイトで即日体験入店(本採用の前に1日から数日間、お試しで働ける制度)できるお店を探しました。
そして、ひとまずは西東京市のワンセット4,000円の安キャバに体験入店が決まりました。
◆ブランドバッグを質に入れる
その後、体験入店したお店に在籍することになり、ひと安心。ところが、ギャラが安すぎる。日払いの日給はスマホ代や食費にあてられ、消えていきます。それに、友人宅に居候しているとはいえ、それだって「タダ」でお願いするのは気が引けます。そんなわけで、なかなか引っ越し費用を捻出することができません。結婚していた頃は毎日遊びほうけていたため、貯金もありませんでした。
アリとキリギリスのキリギリス状態です。でも、貯金の無い私には新地のホステスだった頃に狂ったように買い集めていたブランドバッグがありました。
高価なバッグや貴金属は現金化できます。実質は貯金のようなものです。例えば、シャネルの「マトラッセ」など、定番のアイテムは特に高く売れます。女の子たちは覚えておくとよいでしょう。
どうしても引っ越し費用が欲しかった私は、泣く泣くこのマトラッセを質屋に持っていくことにしました。
質屋にバッグを売って、引っ越し費用を捻出し、いよいよ家探しです。8月に夜行バスで東京に来て、それから2か月が経った頃でした。
家はすぐに見つかりました。雑司ヶ谷霊園の目の前にある外階段のボロボロのアパートに「3日後に入居できるよ」と案内され、即決しました。敷金礼金ゼロで、家賃は1か月6万円です。
引っ越しは、当時私が実の弟のように親しくおもっていた韓国人の友人が手伝ってくれました。彼にはその後もたくさん助けてもらいました。元配偶者との話し合いや諸々の手続きなどで疲れ切っていたあの頃、彼の存在そのものが救いだったように思います。「持つべきものは友」とはまさにこのことです。
また、生活の中に「男性」の存在があることで安心できることはたくさんあります。彼には感謝してもしきれません。
◆幸せな離婚のために必要なこと
夜行バスで家を飛び出した筆者ですが、コロナ騒ぎが収束したタイミングで銀座に在籍が決まり、現在はこうしてフリーランスのライターをしながら、なんとかおまんまにありつけています。外階段のボロアパートからは引っ越しました。
3食昼寝付きの優雅な無職生活が恋しくないわけではありません。それでも、自分で稼いだお金で生活できるのは嬉しいものです。結婚していた頃の生活よりも、今の生活の方がずっと好きです。
この原稿を書きながら、数年前に、大阪・アメ村の三ツ寺会館にあるバーで、その場に居合わせたお嬢さんと「結婚ってなんだろね〜」みたいな話になり、その際に私と同じくバツありシングルの彼女が「おとぎ話って結婚の後のことを全然教えてくれないよね」と言っていたことを、ふと思い出しました。
