再生素材で作ったタイヤをガチのレース現場で実践投入! ブリヂストンがスーパー耐久に投入したサステナブルタイヤのスゴすぎる中身

この記事をまとめると
■11月15日に富士スピードウェイでブリヂストンが取材会を開催した
■ブリヂストンはS耐にサステナブルタイヤを提供する
■S耐最終戦ではロードスターとGR86に提供され両車ともに120周を順調に走破した
ブリヂストンがサステナブルなタイヤをスーパー耐久最終戦に投入
ブリヂストンは11月15日の金曜日、静岡県の富士スピードウェイで取材会を開催した。翌日から2日間にわたって行われた「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2025 Empowered by BRIDGESTONE 第7戦 S耐FINAL大感謝祭」のST-Qクラスに参戦する2チームの2台に対して、再生資源・再生可能資源を用いたサステナブルタイヤを提供することに伴って、グローバルモータースポーツを管掌する常務役員の今井弘氏が登壇。説明を行うとともに、メディアからの質疑応答にも対応した。

ご存知のようにスーパー耐久シリーズは現在、ブリヂストンが参加する全車にワンメイクでタイヤ供給を行っている。また、2021年から創設されたST-Qクラスは、主催者が認めた開発車両で構成され、現在はトヨタ/マツダ/日産/スバル/ホンダという自動車メーカーが参戦中。レースを通じて未来に挑戦する「共挑」をキーワードに、切磋琢磨していることで知られている。
新しいサステナブルタイヤは今回、トヨタの28号車「TGRR GR86 Future FR concept」とマツダの12号車「MAZDA SPIRIT RACING RS Future concept」に供給された。

初めての試みで時間的な制約もあることからドライ用タイヤのみ。さらに、この2台なら235/620R17という同サイズということも理由のひとつだ。来季以降はほかのST-Qクラスのマシンも含めて、拡大していきたいとのこと。

タイヤの概要については、今年8月にオーストラリアで開催された世界最高峰のソーラーカーレース「2025 Bridgestone World Solar Challenge(BWSC)」の17カ国33チームに供給したものと基本的に同じ技術を搭載。
ブリヂストンとして初めて、タイヤを原材料に“戻す”リサイクル技術の共創活動を通じて開発・生産された再生資源である再生カーボンブラック及び再生スチールを採用している。
環境性能とタイヤ性能を高レベルで両立
再生カーボンブラックについては本サイトでも既報しているが、補強剤のカーボンブラック製造工程で、使用済みタイヤの精密熱分解で得られたオイルを使うのがポイント。これで石油由来のオイルを使わなくてもよくなったのだ。

この試みには、ENEOSともタッグを組んでいてスーパー耐久の冠スポンサーとして名を連ねる2社が、この分野でもパートナーシップを発揮している。
また、再生スチールにも、日本のリーディングカンパニー2社が協力している。ブリヂストンのリサイクルセンターで回収した使用済みタイヤを原料にして、山陽特殊鋼の電炉で製造し、日本製鐵の設備で圧延・熱処理したビードワイヤーが採用されている。
なお、今回は詳しい解説は省くが、このサステナブルタイヤに対してもブリヂストンの新たな商品設計基盤技術「ENLITEN」を搭載。環境性能とタイヤ性能を高レベルで両立させている。

気になる「再生資源・再生可能資源比率」について今井氏は、「今回は具体的な数字は差し控えさせていただきますが、BWSCのソーラーカーレース用タイヤの際に公表した65%(以上)に対して、遜色ないレベルと考えていただければ幸いです」とコメントした。
ちなみに来シーズンはスーパー耐久シリーズだけでなく、フォーミュラEにもサステナブルタイヤを供給予定とのこと。この技術に賭ける同社の意気込みの強さを改めて感じた。
最後に11月16日の日曜日、12号車のロードスター(RS Future concept)と28号車のGR86は順調に4時間の決勝レースを完走。ともに120ラップという実りあるパフォーマンスを発揮した。

決勝レースを走り終えた12号車Aドライバーの川田浩史選手を直撃すると、「マシン自体がアップグレードされて、厳密に同じ条件じゃないのですが、初めてなのにシッカリ使えるタイヤでした。当然パフォーマンスは進化するだろうし、耐久性はすでに遜色ない印象です」と感想を語ってくれた。



