ミラノ出発前の羽田でスタッフに囲まれる目黒蓮(2024年)

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 妻夫木聡主演の日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』(TBS系)。11月9日(日)放送の第5話で、2番手キャストに名を連ねながら、なかなか出番のなかったSnow Man目黒蓮が、ようやく本格的に登場した。

 その目黒蓮効果か、右肩下がりだった視聴率が第5話でV字回復。

 世帯平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は第1話11.7%、第2話10.4%、第3話10.3%、第4話9.0%と下落の一途で一桁台まで落ちてしまったが、第5話は11.0%と2.0ポイントも上昇して二桁台復帰となった。

 目黒が本格登場したことで視聴率が回復したのであれば、中盤の起爆剤として効果は絶大だったと言えるが、第5話のストーリーで日曜劇場ファンを惹きつけたのは沢村一樹だったように思う。

■佐藤浩市の宿命のライバルを演じる沢村一樹

 妻夫木や目黒をはじめ、佐藤浩市、黒木瞳、沢村一樹、津田健次郎、安藤政信、小泉孝太郎、松本若菜、高杉真宙といった豪華布陣で、競馬の世界を舞台に熱き大人たちが夢を追いかる姿を描いたヒューマンドラマ。仲間や家族との絆を軸にした20年にもわたる壮大な物語だ。

 主人公の栗須栄治(妻夫木)は、税理士として人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」の競馬事業部へ実態調査したことがきっかけで、社長・山王耕造(佐藤)の人間力や競馬にかける情熱に惹かれ、ロイヤルヒューマンに入社。

 そして、耕造のライバルとして登場しているのが、人材派遣会社「ソリュー」のCEOで、競馬界有数の馬主である椎名善弘(沢村)だ。

 椎名は常に冷静かつ無表情なキャラクター。何億円もはたいて血統のいい競争馬を落札していく剛腕ぶりを見せるも、馬たちがレースで勝っても負けても、あまり感情を表に出さず、終始クールだった。

 そんな、感情がなかなか読めない椎名が、はじめて本音を垣間見せたのが第5話だったのである。

■沢村は高温の感情をたぎらせている “青い炎”

 第5話では、耕造の馬・ロイヤルホープがレースで敗れた直後、ピリピリしたムードのなか耕造が椎名を食事に誘うシーンがあった。

 その会食に参加したのは耕造、栗須、椎名、椎名のマネージャーの4名。一触即発の張りつめた空気のなか、耕造と椎名の掛け合いが熱かった!

 最初のうち、椎名はいつもどおり腹の内は見せず、ロイヤルホープを「いい馬だと思います」などとヨイショ。けれど、耕造が椎名の馬・ヴァルシャーレのことが憎くて仕方がないと悪態をつきながら挑発すると、椎名がとうとう本性を現わすのだ。

 椎名は、ロイヤルホープが「今後うちの馬に勝つことはありません」と断言しつつ、耕造にこう言い放つ。

「私がロイヤルホープを憎んでいないとお思いですか? ヴァルシャーレはデビュー戦という晴れ舞台で、そちらに負けているんです」

「そのときに、もう二度とロイヤルホープには負けない、ロイヤルホープに “だけ” は。そう決めております」

 真剣な面持ちで悔しさを滲ませながらもあくまで紳士的な態度を崩さず、それでいて一歩も譲ることなく非常に好戦的。激昂して声を荒らげているわけではないのに、沢村の演技によって椎名の荒ぶる感情がひしひしと伝わってきた。

 佐藤浩市が演じる耕造が、メラメラと燃える情熱で周囲を巻き込んでいく “赤い炎” だとしたら、沢村一樹が生み出している椎名というキャラは、一見すると物静かなのでわかりにくいが、とてつもなく高温の感情をたぎらせている “青い炎” といった感じ。まさに対照的なのだ。

 椎名の言葉を聞いた耕造は、「やっぱりタヌキだ。本性を見たな」とあきれたように言いながらも、どこかちょっと楽しそうにも見えた。ようやく宿敵が腹を割って本音をさらけ出してくれたことが、嬉しかったのかもしれない。マジでよきライバル!

■オヤジ俳優たちのいぶし銀の演技が最高すぎる

 実は、負けん気が強くかなり熱い漢なのだが、そのパッションを内に秘めて表向きは超絶クールに振る舞っている椎名。役者・沢村一樹の演技とビジュアルによって、めちゃくちゃかっこいいキャラに昇華している。

 沢村は熱血キャラや三枚目キャラも演じられる振り幅の広い俳優だが、前クールに放送されていた『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)でも、スマートなホストクラブ社長を好演していたことが記憶に新しい。

 このときのホストクラブ社長も、基本クールだが人情味あるキャラクターで、今回の椎名善弘に通ずるところがある。こういった役どころは沢村の十八番なのだろう。

『ザ・ロイヤルファミリー』では、これまでもオヤジ俳優たちのいぶし銀の演技が最高だった。

 耕造はパワハラまがいの言動も多い昭和のイケイケオヤジだが、演じる佐藤が豪胆さのなかにも繊細な一面を醸し出しており、その人間力でとても魅力的なキャラに仕上がっている。

 ほかにも安藤政信演じる馬を第一に考える調教師や、津田健次郎演じるクセのあるスポーツ新聞記者など、50代以上のオヤジ俳優たちの熱演がたまらない。

 そんななかで、28歳という若さながら演技巧者で知られる目黒蓮が、物語をどう盛り上げてくれるのか、注目である。

 目黒演じる中条耕一は、耕造の愛人が密かに産んでいた隠し子。父が耕造であることを聞かされずに育ったため、初対面した耕造に反抗的な態度を示していたが、今後はロイヤルヒューマンの競馬チームに加わってくるのだろう。

 目黒演じる耕一と沢村演じる椎名が対峙するシーンにも期待が高まるところ。今夜放送の第6話も楽しみだ。

堺屋大地

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『コクハク』(日刊現代)、『日刊SPA!』『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿