充電不要。挿すだけですぐいい音が楽しめるベルキンの有線ANCイヤホン
AirPods捨てるほどじゃけど、30ドルでこれならアリかも。
家の引き出しに無造作に転がってる昔の有線ヘッドホン。たまにケーブルを挿し込んで使うと、ワイヤレス接続の不確かさから解放されてじっくり聴き入ることができます。
「あ〜あ、これでアクティブノイズキャンセリング(ANC)ができたらな〜」と思ってたら、Belkin(ベルキン)から新しいのが出ました!
Belkin ANC搭載有線イヤーピース「SOUNDFORM」(USB-Cコネクタ付き)
これは何?
安く手軽に上質なサウンドが楽しめるBelkinのケーブルありイヤーピース
価格
29.99ドル(約4,500円)
好きなところ
バッテリー切れの心配がない良質でバランスのいいサウンド着け心地がいい通話環境バッチリ安い好きじゃないところ
ノイキャンは抑えめケーブルに当たると音が耳に入るUSB-Cに対応していない3.5mmジャックの端末にはつなげない切れない安定感
ANCの有線イヤーピースのことはちょくちょくチェックしてるんですが、これまでは正直ガッカリすることがほとんどでした。ANCの電力を確保するためには3.5mmのヘッドホンジャックでは足りないので、ケーブルにバッテリーパックを搭載したり、別にUSB-Cのドングルを用意したりしているわけですが、それだとせっかく電源に挿し込んでる魅力が半減なんですよね。
同じことはオーバーヘッドのワイヤレスANCイヤホンにもいえて、どうしても音声のフィルタリングに電力が取られるので、機種によってはバッテリー残量わずかになると普通に動作しないこともあります。
でもBelkinからこのほど発売になった有線SoundFormは違ったんです。IFA 2025のレビューでもちらっと書いたように、軽量かつ快適で音もきれい。
ケーブルありイヤホンのトレンド来てます。ベルキンやソニーが新作発表
IFA 2025では会場がうるさくて細かい評価はできませんでしたが、Belkinからレビュー機が届いてしばらく使ってみることができました。
Apple(アップル)のAirPods Proは、初代から今の第3世代まで使ってるんですが、ワイヤレスなんで接続が不安定なのが難点。特に何年も使いこんでヨレヨレになってくると、それが如実に現れます。
あとファームウェア更新を重ねていくと、挙動がおかしくなることも…。自分はケースを開けるたびに「Not Your AirPods Pro」と表示される不具合に随分と悩まされました(何カ月も続いて、やっとファームウェア更新で正常に戻ったときには、AirPods Pro 3が発売になっていた)。
それに比べたら、電源に差し込んで普通に使えるのは、あまり考えなくていいんですよね。充電不要で、Bluetoothのペアリングも要らなければ、ファームウェア更新でソフトも不具合に悩まされることもなし。聴きたいときに聴きたい音楽やポッドキャストに集中できる安心感があります。
ANC搭載有線バージョンのBelkin SoundFormは、ゴツくてAirPods Proとほぼ同じサイズなんですが、軽くて着けてるのが気になりません。防水等級は噴流に耐えるIPX5(AirPods Pro 2の生活防水IPX4/IP54より上)。色は白または黒。
ケーブルはしなやかで、絡まりにくい平型。先端部はソフトシリコンでAirPodsより耳垢がつきにくいです(汚い話でごめん)。同梱3サイズから合うのを選ぶ感じですね。単純な構造なので、肌に合わなければ市販のものにも交換もできそうに感じました。
ケーブルの途中には音量・再生・一時停止のボタンのモジュールがあります。
何も考えなくても使えるんですが、3つのEQプリセット(低音ブースト/バランス/Belkinシグネチャーサウンド)を切り替える操作が、「音量大小を同時押し」っていうのはすごい違和感でした。ANC&外音取り込みモードを有効にする操作が、「側面ボタンの長押し」っていうのもちょっとね…。AirPods Proの長押しは気にならないのに、なんでなんですかね? 物理的ボタンだから別の展開を期待しちゃうんだろうか。まあ、気になるのはそれぐらいで、EQは低音ブーストを1度選んだら、気に入ってずっとそのまま使ってました。
そんなことより、有線タイプのSound Form最大のネックは「USB-C」対応な点です。つまり3.5mmのジャックには挿し込めない。USB-Cが出る前に買ったMP3プレイヤーやゲーム機には使えません。
最新のSwitch 2 Proコントローラーも、GameChat用ヘッドホンは3.5mmジャックでUSC-C非対応なのでアウト。初代のSwitchはOLEDモデルも含めてダメ。これはちょっと残念。
逆に有線イヤホンで聴きたいなと思っていた製品はだいたい大丈夫でした。まあ、USB-Cは耐久性も心配。1カ月使った限りでは問題なかったけど、こればかりは長く使ってみないとなんとも。何年も長持ちするといいですね。
で、サウンドは?
ドライバ口径は12mmなので、AirPods Pro 2と3の中間ですね。お値段たったの30ドルなので、サウンドは端から期待してなかったけど、低域は迫力十分。期待以上のサウンドです。低域が効きすぎることもなく、中域と高域はクリア。濁ったりキンキン耳にくることもありません。
ふだん使ってるAirPods Pro 3と比べちゃうと熱量低くて低域が薄っぺらいけど、各界絶賛のPro 3と比べるのは酷というものですよね。有線型Sound Formだって手堅い音だし、同じ価格帯のワイヤレスイヤホンより、はるかにいいサウンドが味わえます。
もちろん音質を細かくチェックしていくと、値段なりなところも目につきます。ボリュームを80%くらいまで上げると低域が弱くファジーになりますし、曲の解釈も曖昧で、トム・ウェイツの『Green Grass』なんかも音が割れすぎて、わざと濁声出してるのに素人っぽく響いたり。
サウンドステージもかなり狭くて、両耳の間しか音の広がりがなく感じます。トム・ウェイツの弾き語りなら距離が縮まった感あってうれしいけど、ドラゴンフォースが叫びまくる『Through the Fire and the Flames』でそれをやられると参ります。
ケーブルのぶつかる音も耳に入るので、髭に当たるたびに音がして、指でタップする音もビンビン響きました。
ANCで雑音は消えるの?
ノイキャン性能は控えめです。職場で使うと、パソコンのファンが回る音は消えるけどって感じ。そういうドローンみたいなノイズを消す部分はよくできています。
近所のにぎやかな界隈で使っても、ほかの雑音がすっかり消え去って、音楽やポッドキャストや電話の声に集中することができました。
「声を分離」機能も◎。散歩中に友だちに電話で聞いてみたら、車の音も入るけど、声ははっきり大きく聴き取れるって話でした。ANCをOFFにすると「声を分離」もOFFになります。通話中にOFFにすると、たちどころに風と車の騒音がなだれ込んできたそうですけど、いずれにしても通話が途切れることはなかったです。
AirPods Pro 2は音がブチブチ途切れるので、野外で通話中は何度も言い直さないとだめ。その辺は大違いだなって感じました。
価格なりの価値はある
正直ここまで気に入るとは自分でも思ってませんでした。
AirPods Pro 3を追いやることはないにしても、試用期間中は一番に手が伸びるのがBelkinの有線Sound Formでした。 Nintendo Switch 2のときもそうなら、座ってノートPCで仕事中も有線タイプのSound Form。歩き回るときはワイヤレスがベターですが(有線はケーブルの当たる音が入っちゃうので)、まるで昔に還るみたいな懐かしさがあります。
Bluetoothのペアリングとかしなくても耳に突っ込むだけで音が出てくるシンプルさ。まあ、SONY PS Vitaや昔のiPod nanoにつなぐことはできませんでしたけど、現役で使ってる端末はだいたいUSB-Cですから、何の不便も感じません。唯一の例外はSwitch 2 Proコントローラーぐらいです。
「おまけでついてくる有線イヤホンじゃなくて、もっとしっかりしたのが欲しい!」と思ってた人には、有線Sound Formおすすめです。耳から落ちて紛失する心配もなければ、充電する必要もない。有線イヤーピースでありながらワイヤレスイヤホンに近い音が楽しめますよ。
米国では30ドルでBelkin公式サイト、Amazonにて発売中。日本でも買えるといいですね!

