記事のポイントオン共同創業者デイビッド・アレマン氏が取材に応じ、D2C売上の急増(41.1%で過去最高)やアジア戦略について語った。第2四半期の純売上は前年同期比32%増、アパレルは67.5%増と急成長。アジア太平洋地域では売上が倍増した。ゼンデイヤとのパートナーシップやロエベとの高級ラインなど、カルチャーとラグジュアリーを通じてブランドの影響力を拡大している。
オン・ホールディング(On Holding)は第2四半期の純売上高が8億5300万ドル(約1263億円)となり、前年同期比で32%増、一定為替レートベースでは38.2%増だった。D2C売上は47.2%増となり、全売上の記録的な41.1%を占めた。アパレルは67.5%増、アジア太平洋地域の売上は倍増以上を記録した。売上総利益率は61.5%に拡大し、同社の通期ガイダンスには、ベトナム製フットウェアに対する米国の新たな40%関税がすでに織り込まれている。オンは2025年の純売上高が一定為替レートベースで少なくとも31%増、約33億3000万ドル(約4930億円)になると予測しており、粗利益率は60.5〜61%、調整後EBITDAマージンは17〜17.5%を見込んでいる。この四半期はオンの文化的影響力の拡大も反映された。2月にはエルモとロジャー・フェデラーによる「ソフト・ウィンズ(Soft Wins)」キャンペーンがスーパーボウルで放映された。4月にはゼンデイヤが複数年にわたるクリエイティブパートナーシップを締結し、C・プリンツ監督による「ドリーム・トゥゲザー(Dream Together)」フィルムが公開された。5月には、FKAツイッグスがダンスとデザインを融合させたカプセルコレクションを発表し、2022年に初めて開始されたロエベとのコラボレーションは、同社のラグジュアリーなポジショニングを引き上げ続けている。決算発表の数分後、Glossyは共同創業者兼エグゼクティブ共同会長のデイビッド・アレマン氏に、オンのD2C売上の急増、アジア戦略、テニスやラグジュアリーコラボレーションを通じた文化的影響力について話を聞いた。

◆ ◆ ◆

--D2Cは今四半期、売上の過去最高である41.1%に達した。この成長を牽引している要因は何か。

D2Cの成長には非常に満足しており、これはコミュニティやユーザーグループ全体にわたる幅広いモメンタムによって支えられたものである。我々の急速な小売拡大も大きな原動力であり、小売への投資は製品とブランドの両方を構築し、それが大きく花開いている。これによりブランド全体のハロー効果が広がっている。ホールセールを上回るかどうかはわからないし、正直なところ気にしていない。顧客がいる場所で顧客に会いたいと考えている。我々はホールセールとD2Cのあいだでバランスの取れたポートフォリオをめざしている。

--中華圏の売上は2倍以上になった。アジアでスケールするなかで、どのようにプレミアムブランドを守っているのか。

我々はアジアではまだ小さなプレイヤーであり、それがプレミアムかつパフォーマンスブランドとして非常にフォーカスできる理由だ。スポーツ、ウェルネス、長寿、そしてアジアにおけるプレミアム志向といったトレンドに乗っている。我々はアジアの消費者に強く響いている。中国・成都の店舗では、週末の初動売上が過去最高を記録し、売上の15%がアパレルだった。

--アパレルはもっとも急成長しているカテゴリーのひとつであるが、収益の柱になり得るか。

我々が始めたことの多くは小規模からだった。15年前は1足のランニングシューズだけだった。我々が掲げる「もっともプレミアムなブランドになる」というビジョンに忠実であり続ければ、アパレルは確実に重要なカテゴリーに成長できる。それが我々の進んでいる道だ。

--関税は計画にどのような影響を与えているか。

非常にプレミアムなブランドである我々は、この状況を十分に緩和できる立場にある。スイスでは関税の影響はなく、生産の大部分はベトナムにある。我々の通期見通しには、すでにベトナム製品への関税が織り込まれている。

--テニスは今年、大きな認知度向上の原動力になった。そうした瞬間をどのように需要につなげているのか。

テニスはおそらくもっともプレミアムな観戦スポーツだ。プロテニス選手のイガ・シフィオンテク、ベン・シェルトンをはじめ、我々の多くのアスリートはより広い観客層にとって素晴らしいヒーローであり、コート上でブランドとパフォーマンスを示している。それがテニスカテゴリーにとって最大の広告キャンペーンだ。我々はこれを店舗での高い視認性でさらに増幅させている。そしてロジャー・フェデラーがパートナーであることも大きい。

--ロエベのように、どの製品をラグジュアリー仕様にするかはどのように決めているのか。

我々は、プロダクトに対する彼のビジョンに基づいてJWアンダーソン(JW Anderson)と緊密に連携し、ロエベとのコラボレーションを開発している。これによって、もう一段上の高みを得ることができる。クラウドティルト(Cloudtilt)は現在、売上全体の5%以上を占める9つのフランチャイズのひとつになっている。ゼンデイヤとともに最新作として発売されたクラウドゾーン(Cloudzone)は飛ぶように売れており、今後それも対象になる可能性がある。[原文:David Allemann on On’s $853 million quarter, tennis push and Loewe lift]Zofia Zwieglinska(翻訳・編集:坂本凪沙)