イチバン高いの買っときゃ間違いなし……とは限らない! むしろ中間&廉価グレードほほうがうま味たっぷりなクルマ5選

この記事をまとめると
■上位グレード以外でも満足度の高いグレードをもつ国産車を厳選紹介する
■低グレードや中間グレードでも装備が充実しているモデルは狙い目
■価格差と装備差を見極めて自分に合う最適な1台を選びたい
最上級グレードを選んでおけばいいというわけではない
クルマにはベーシックからハイエンドまでのグレードが用意されるのが普通だ。新車のデビュー当時はなぜか最上位グレードが人気となるものの、時間がたって販売が落ち着いてくると、主力グレードともいえる中間グレードの販売比率が高まるのも「あるある」である。
では、上位グレードのほうがすべていいのか。そうであるクルマもあれば、そうじゃないクルマもある。ここでは低めのグレードのほうがむしろデキのいい、コスパ最高な国産車たちを紹介したい。
ホンダ・ステップワゴン
まずはステップワゴンだ。グレードはガソリン車の「AIR」334万円から、「e:HEV SPADA プレミアムラインブラックエディション」の440万円までのラインアップ。価格差は約106万円に達する。ここで、低めのグレードのおすすめとなるのが、354万円のAIR EXのガソリン車だ。

6代目ステップワゴンは初代に回帰したコンセプトをもっているのだが、先進運転支援システムのHonda SENSINGはAIR EXを含む全車に標準装備。ブラインドスポットモニターまで装備される。実用装備もスパーダと大きく変わらず、マイナーチェンジで以前のエアーになかったメモリー付きパワーテールゲートも標準装備されるようになったのだから、いまや文句なしというわけだ。

最上級グレードとなるプレミアムライン系だが、タイヤが17インチになることで最小回転半径が5.4mから一気に5.7mになってしまうのが気になるところ。16インチタイヤ装着車の乗り心地の素晴らしさと心地よさもあって、筆者としてはステップワゴンはガソリン車のみならずe:HEVモデルでも、低〜中グレードをおすすめしたくなる。
日産セレナ
日産セレナにしても、価格帯はガソリン車の「X」が271万円から「e-POWER ルキシオン」の484万円まで、なんと約213万円もの差がある。プロパイロットは全車に標準装備され(ルキシオンのみより高機能なプロパイロット2.0)、夜間の安全性を高めるLEDヘッドライトも全車に標準装備される。

ここでおすすめしたいグレードは、ハイブリッドのe-POWER Xだ。ガソリン車のハイウェイスターVより約8万円高になり、ハイウェイスターのカッコよさはないものの、WLTCモード燃費はガソリン車の13.0km/Lから一気に20.6km/Lに向上。装備類に不満なく、ハイブリッドらしい静かでスムースな走りにも納得できるのである。

で、セレナの最上級グレードとなるe-POWER ルキシオンを推せないのは、高精度地図データと360度周囲センシングによって同一車線内のハンズオフが可能となるプロパイロット2.0を搭載しているものの、タイヤは他グレードと同じ16インチのままで、走りの質そのものはe-POWER Xと変わらず、価格は約485万円まで高騰。日産の最上級ミニバンであるエルグランド350ハイウェイスター487万円とほぼ同額になってしまう、セレナらしからぬ価格設定にある。
マツダCX-60
グレード間価格差が極めて大きい1台が、マツダのSUVであるCX-60だ。立派な体躯にして超お値打ちのガソリンエンジンのスタンダードモデル、「25S Sパッケージ」の326万円から「PHEV プレミアムモダン」の646万円までで、その差額は約320万円に達する。

しかし、ガソリン車でも見た目は大きく変わらず堂々としたものだし、本革シートや大径ホイールを備えた直列6気筒ディーゼルエンジンのXD Lパッケージ(422万円)でも、CX-60のハイクラスモデルらしい走りや装備を十分に味わえ、むしろPHEVより乗り心地がいい場面もあったりするのである。
コンパクトモデルこそベースモデルを選ぶべき!?
スバル・インプレッサ
スバルの王道ハッチバックモデルであるインプレッサは、ガソリン車とe-BOXERと呼ばれるマイルドハイブリッドを用意する。アイサイトは全車に標準装備され、価格帯はガソリンモデル「ST」の274万円からe-BOXER搭載の「ST-H スタイルエディション」の351万円までとなる。クロストレックやフォレスターには2モーターのストロングハイブリッドが搭載され、スバル史上最高クラスといえる燃費性能を誇っているが、インプレッサへのストロングハイブリッド搭載は、いまのところなし。
そこで注目すべきは、水平対向エンジンのガソリン車とマイルドハイブリッド車の燃費性能の差だ。WLTCモードで2WDの場合、ガソリン車は14.0km/L、e-BOXERは16.6km/Lと、それほど大きく変わらないのである。

マイルドハイブリッドのモーターアシストは限定的で、タイヤは全車17インチ。11.6インチのセンターインフォメーションディスプレイも全車標準だ。ガソリン車でも水平対向エンジンの独自の魅力と爽快な走りを味わえるのだから、インプレッサは価格的なメリットのあるガソリン車を選んでもまったく問題ないというわけだ。
おすすめは、ナビゲーション機能が特別装備されるSTブラックセレクション(305万円)、STスタイルセレクション(309万円)あたりだ。インプレッサのクロスオーバーモデルとなる、本格的な走破性を備えるAWD+Xモードのクロストレックが兄弟車にあるわけだから、都会的なハッチバックモデルのインプレッサは、安くてデキのいい2WDで乗るのがいい。
ホンダN-BOX
日本でいちばん売れているクルマ、ホンダN-BOXは極めて多グレードだ。NA、ターボ、JOY、モノトーンなど2トーンを含め、全14車種ものラインアップを揃える。価格はもっともベーシックなN-BOXの173万円からカスタムターボ コーディネートスタイルの247万円までである。ここで冷静になってみると、ターボモデルとはいえ、軽自動車で250万円近いのはどうよ……ということになりはしないか。

フィットのハイブリッドモデルのe:HEV HOMEが240万円、コンパクトSUVのWR-VのメイングレードZが239万円で手に入るのだからなおさらである。どうしても軽自動車じゃないと車庫に入らなかったり、近所の道が激狭いといったケースは別にして、駆動方式をFFに揃えても234万円はちょっと高すぎだろ、といいたくなる。
筆者は、N-BOXは素のグレードでも十分と考える。先進運転支援機能のHonda SENSINGもしっかり装備されるし、ヘッドライトもちゃんとLED。基本装備はグレードを問わず充実しているのである。そして意外かもしれないが、ベースグレードのN-BOX、N-BOXモノトーン、2トーンともにホイールはスチールになるのだが、それがまたカッコイイ。モノトーン、2トーンになるとカラード+オフホワイトと、さらにオシャレになり、上級グレードのアルミホイールよりいい感じだと思う人も少なくないはずだ。

「N-BOXは売れに売れているだけに街にあふれているのが嫌」というなら、アウトドアテイストある、チェック柄のインテリアがオシャレで、シートアレンジ性にも優れた189万円からのN-BOX JOYを選ぶという手もあり。いずれにしても、スズキ・ハスラーなどもそうだが、ベースモデルでもしっかり作り込まれていて、商品性にも決して手抜きがないのが、日本が誇るいまの軽自動車ということだ。

ここで紹介しきれなかったクルマでも、ベースグレードや中間グレードにこそ価値があるクルマはたくさんある。カタログやメーカーHPでは上級グレードが中心に紹介されていることがほとんどだが、スペック表、装備表をしっかりと読みこんで、自身の使いかたに合った、コスパのいいグレードを選んでほしい。
